ガイナックス社長が準強制わいせつで逮捕、被害少女の“特定“には「法的措置」と弁護士

    アニメ制作会社「ガイナックス」社長の巻智博容疑者が12月5日、所属タレントに対する準強制わいせつ容疑で逮捕された。被害少女を特定するようなサイトは、すでにネット上に相次いでアップされている。

    アニメ制作会社「ガイナックス」社長の巻智博容疑者が12月5日、自身が経営する事務所の所属タレントに対する準強制わいせつ容疑で逮捕された。

    代理人弁護士は、ネット上で被害少女の個人情報を晒すなど、いわゆる「特定」などに対して法的措置を進めるとする声明を発表した。しかし、少女を特定するようなサイトは、すでにネット上に相次いでアップされている。

    ガイナックスは、「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビシリーズを担ったアニメ制作会社。現在、続編は別のアニメ制作会社が制作を担当している。

    NHKによると、巻容疑者の逮捕容疑は、自らが経営するプロダグションと契約する10代後半の少女の裸の写真を、「芸能人として写真を撮られるための訓練」といって撮影したり、体を触ったりしたというもの。容疑を否認しているという。

    被害少女は代理人弁護士を通じ、以下のようにコメントを発表した。

    「私は私なりの目標をもって芸能界に足を踏み入れることにしました。容疑者の行為は芸能界のことを何もわからない私たちの気持ちを悪用する物凄く卑劣でひどい行為だと思います。何より今後同じような悲しい思いをする人がでないことを心より願います」

    また弁護士は事件事故の被害者などの個人情報が晒されることが相次いでいるとして、以下のような声明を発表。同様の行為には法的措置を進めると明らかにしている。

    「被害者らの名誉を毀損する行為やプライバシーを侵害する行為については、発信者情報開示請求や損害賠償請求等の法的措置を進めていく所存です」

    相次ぐ”トレンドブログ”の被害

    ネット上の情報を切りはりしている「トレンドブログ」は昨今、大きく問題視されている。

    社会の注目が集まる事件・事故が発生するたびに、容疑者のプロフィールや顔写真を紹介するといった触れ込みの記事が、大量に作り出されている。検索エンジンで上位にランクインすることを狙い、広告収入を稼ぐ狙いがあるからだ。

    一方、ブログの運営者や筆者の情報がきちんと公開されていることは少ない。また、情報のソースも曖昧で、ネット上の噂が発端になっており、デマの拡散経路となることも少なくない。

    今回の事件でもすでに「ガイナックス社長の自宅はどこ?被害者少女は誰?」「容疑者の顔画像や経歴!わいせつされた少女は?」「被害者を特定」などといったサイトが複数存在しており、検索エンジンの上位にランクインしていることが確認できる。

    こうしたトレンドブログは、川崎・登戸の殺傷事件や京アニ放火殺人事件でもデマを相次いで掲載。京アニ事件に関しては、NHKが法的措置を表明している。

    また、茨城県の常磐道であったあおり運転事件では、まったく無関係の女性が容疑者であるかのような記事を、一部のブログが拡散。女性側は法的措置を検討していることを明らかにしている。

    常磐道のケースでは、リツイートなど拡散者も法的措置の対象とされている。不確実な情報をクリックすることはもちろんだが、拡散しないようにすることが大切だ。

    UPDATE

    当初、見出し及び文中で「ガイナックス」を「エヴァ制作会社」「エヴァンゲリオンとして知られるアニメ制作会社」としておりましたが、ガイナックスが現在はエヴァンゲリオンの制作をしていないことや、現在エヴァンゲリオンの制作をするカラーの声明を受け、見出しおよび本文を修正いたしました。