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「ニュース女子」 一部放送は継続へ 制作元が発表

MXは放送の中止を発表していたが…

放送倫理・番組向上委員会(BPO)の放送倫理検証委員会が2017年12月14日に「重大な放送倫理違反」と極めて厳しい意見を出したTOKYO-MX放送の「ニュース女子」。

制作を担う化粧品大手DHCグループ傘下「DHCテレビジョン」は3月5日、番組を地方局やネット上などで継続すると発表した。

まず、経緯を振り返る

「ニュース女子」はバラエティ色のある報道番組。

スポンサーが制作費などを負担し、制作会社が作り、放送局が納品された完成品を放送する「持ち込み番組」だ。制作は化粧品大手DHCグループ傘下「DHCテレビジョン」が担っている。

問題になった2017年1月2日の放送回では、「沖縄緊急調査 マスコミが報道しない真実」「沖縄・高江のヘリパット問題はどうなった?過激な反対派の実情を井上和彦が現地取材!」などと題し、沖縄・高江の米軍ヘリパッドへの反対運動を報じた。

問題があった1月2日の放送は「沖縄緊急調査 マスコミが報道しない真実」「沖縄・高江のヘリパット問題はどうなった?過激な反対派の実情を井上和彦が現地取材!」などと題し、沖縄・高江の米軍ヘリパッドへの反対運動を報じている。

番組内で、米軍ヘリパッド建設に反対する人たちを「テロリスト」と表現。「日当をもらっている」「組織に雇用されている」などと伝えた。

BPOの放送倫理検証委員会は番組に問題がなかったか、2月に審議入りし、12月14日、「重大な放送倫理違反」と厳しく批判する意見書をまとめた。MXやDHC側、2回の現地調査を経て、指摘された問題点の概要は以下の通りだ。


  1. 抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった
  2. 「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを確認しなかった
  3. 「日当」という表現の裏付けを確認しなかった
  4. 「基地の外の」とのスーパーを放置した
  5. 侮蔑的表現のチェックを怠った
  6. 完パケでの考査を行わなかった


「取材の欠如」「裏付けを確認しなかった」「考査を行わなかった」など、報道番組としての基本的な手順が踏まれていなかったことが明らかになった。

MXの放送は中止に、しかし…

これを受け、MX側は2018年3月1日、以下の理由から、放送を中止する方針を明らかにした。

より放送責任を明確にする立場から、当番組の制作主体を当方に移した いとの意向をスポンサーに申し入れてきました。しかしながら、最終的に両社間の協議が不調に終わった

これに対し、DHCテレビジョンは3月5日、地方局やCS、ネット上での番組存続を発表した。

番組製作はこれまで通り継続し、4月以降インターネット媒体はYouTubeライブ、ニコニコ生放送、Fresh!にて毎週月曜22時から最新分をライブ配信いたします。

また、衛星放送や地方局での放送も継続いたします。

今まで東京MXテレビでニュース女子をご覧いただきました皆様、ありがとうございました。

4月以降はインターネットなど各種媒体にて引き続き番組をご愛顧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

そもそもDHCテレビジョンは、問題が発覚した直後の2017年1月20日、批判・疑問にそれぞれ見解を示した上で、番組に対して「デマ」「ヘイト」などと批判が集まった点に、反論している。

これら言論活動を言論の場ではなく一方的に「デマ」「ヘイト」と断定することは、メディアの言論活動を封殺する、ある種の言論弾圧であると考えます。DHCシアターでは今後もこうした誹謗中傷に屈すること無く、日本の自由な言論空間を守るため、良質な番組を製作して参ります。

問題となった番組もそのままネット上に残されている。

BuzzFeed Newsでは、DHCテレビジョンにBPOの意見書に対する見解や改善点、放送先などについて取材を申し込んでいる。回答があり次第、更新もしくは記事を公開する。