「このままでは保育士が倒れる」新型コロナで疲弊する保育園のリアル

    新型コロナウイルスの感染対策に奔走する保育園。疲弊している現場の実態を、現役保育士に聞きました。

    新型コロナウイルスの感染拡大で、全国の小中高校や幼稚園で広がる休校、休園措置。一方で「働く親のために」と開園を続けているのが、保育園だ。

    その現場は感染対策などのため、疲弊しているという。ある女性保育士は「このままでは保育士が倒れます」とその現状を吐露する。いったい、何が起きているのか。

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    「園で感染者を出さないために毎日頑張っています。風邪の症状がある職員も休ませているので、職員の人数もギリギリです。預かるのはいいのですが、このままですと保育士が倒れます」

    神奈川県で保育士のくるみさん(30、女性)は、BuzzFeedの公式LINE「バズおぴ」にこんな悲痛な現状を寄せた。

    「職員の数が少ない上に、やることが多いので、現場はとにかく1日中バタバタしています。保育士が園でお預かりする子どもたちをコロナから守るためにどれだけ神経使って頑張っているのか、少しでも多くの人に知ってほしいです。学校や幼稚園は休校、休園措置を取っているなか、開園している保育園の努力を知ってほしいです」

    園ではこれまで、衛生マニュアルに沿って職員の手洗いや消毒の徹底、定期的な換気や次亜塩素酸を使った園内の消毒などを徹底してきた。そうした消毒は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、より徹底するようになったという。

    「普段の業務にプラスして消毒の回数も増やしています。保育士は子どもたちが帰ったあと、全てを掃除して消毒してから帰っています」

    さらに問題が大きくなってからは、保護者の園内立ち入りを禁止にした。

    「朝からは保育士が入り口まで迎えに行き、荷物を預かって保育室へ。帰りはインターホンがなったら、その都度子どもの支度、荷物を持ってまた入り口へ……。普段は保護者にやっていただいている朝夕の支度を、保育士がすべて行っている。お迎えのたびに、保育室から保育士が1人抜けなければいけないことから、普段よりも保育士を多く配置するか、残業をする必要があるんです」

    「働く保護者がいる限り、絶対に開園しなくてはならないと思います。それが世の中に保育園が必要とされる意味だからです。ただ、いつどこで誰が感染するかわからない、自分も感染したらどうしよう、園内で感染者が出たら……という不安にこれだけ神経を使うくらいなら、休園措置をとった方がいいとすら思ってしまいます」

    感情的になる保護者も

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    こうした切迫した状況にも関わらず、苦情を寄せてくる保護者も少なくない。

    新型コロナウイルスの感染拡大を受け、行事の中止を知らせた際には「世の中の状況はわかっているが納得できない」と泣いたり、「大人気ない態度や言葉」をぶつける感情的な保護者もいたという。

    「保護者の気持ちも十分にわかります。私たちだって出来るならやりたいです。しかし、いまは感染対策が優先となっており、職員に余裕もなければ、お預かりするだけで精一杯で、行事の練習をする時間は到底とれません。園ができることは、その判断しかなかったのです」

    また感染対策には保護者の協力も不可欠だが、それが至らない場合はしわ寄せが保育士に向かってしまう。

    「保育士がいくら頑張っても、登園前の検温を忘れる保護者が多くて嫌になります。私たちだけが本気でウイルス対策しても、無理です。保護者のご協力がないと保育士の業務、負担が増えて、倒れます。保育士が足りなくなったら、休園せざるを得なくなります」

    「昔に比べたら保育士の処遇は改善していただいています。一人暮らしする職員も増えてきました。しかし、責任の大きさの割に、社会から求められているわりにお給料は低いと思います。私たちは子どもたちの命を預かっています。このまま保育士への負担が増えるのなら、きっと辞めて他の職業につきたいと思う人もいてもおかしくないのではないでしょうか」

    とはいえ、くるみさんは「保育士はすばらしい仕事です」と誇りを持っている。だからこそ、明日も園に向かうのだ。

    「やりがいのある仕事だからこそ。いま、世の中の人にコロナ対策の現状を知っていただきき、少しでも協力してくださる保護者が全国の保育園に増えることを祈っています。そして無事に終息して、『あの時コロナ対策毎日大変だったね』と笑える日が来ることを祈りながら、明日も頑張ろうと思います」


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