【速報】「共謀罪」法成立 徹夜国会の末、与党は「禁じ手」を使い委員会省略

    与党は朝までに法案を成立させたい構えだ。野党は、内閣不信任決議案を提出し、抵抗を続けている。

    UPDATE

    犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法は、徹夜国会の末、6月15日午前7時45分ごろ、参議院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。

    犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案をめぐり、国会での攻防が続いている。与党側は6月15日未明までの成立も視野に入れており、野党が反発を強めている。

    法案は衆議院を5月23日に通過。参議院の法務委員会で審議が進んでいたが、6月14日、与党は「中間報告」を使うことで、委員会での採決を省略しようとしている。

    「中間報告」とは、国会法で定められた仕組みだ。

    法案は通常、委員会で審議・採決し、本会議に送られる。

    ただ、国会法の56条では、「特に必要があるとき」に本会議で中間報告を実施し、さらに「特に緊急を要するもの」は本会議で審議・採決ができると定めている。

    つまり、委員会での議論を省略できるということだ。「伝家の宝刀」や、「禁じ手」とまで言われることもある。

    NHKによると、与野党が対決する中で「中間報告」を使い成立した法律は、天下り規制に関する改正国家公務員法(2007年)。

    2009年に成立した改正臓器移植法の審議でも、「議員個人の死生観にかかわる」との理由から中間報告が行われたことがある。

    自民党は、野党が金田勝年法務大臣の問責決議案を提出したことなどを理由としているが、実際は国会をできるだけ早期に閉会し、東京都議選への影響を避けたい狙いがあるとみられる。

    たとえば、民進党の小川敏夫参議院議員は、報告を行う参議院法務委員長は与党の公明党であることに触れ、「極めて異例、異常な提案」と批判した。

    過去には、委員長が野党側で、与党側の思うように審議が促進されない場合に、本会議で中間報告を求め、法案採決へ持って行ったことはありましたが、今国会の参議院法務委員長は与党公明党です。極めて異例、異常な提案といえます。(小川事務所) https://t.co/ELDTFf0ZGu

    社民党の福島瑞穂副党首は「審議はまだまだ不十分」とツイートした。

    自民党が、共謀罪の法務委員会会での採決を省略して、中間報告で、本会議で採決すると提案したことに激怒。委員会での審議を何と思っているのか。委員会での採決を何と思っているのか。審議はまだまだ不十分である。突然取り上げて、委員会での採決もせずに、本会議での採決などありえない。

    識者からも批判が出ている。神戸学院大学法学部の上脇博之教授(憲法学)はTwitterで「民主主義の手続きの例外規定の濫用」と指摘した。

    国会法第56条の3第2項は「中間報告があつた案件について、議院が特に緊急を要すると認めたときは・・・議院の会議において審議することができる」と定めているが、今は決して「特に緊急を要する」場合ではない。「議院」の多数がそうだと恣意的… https://t.co/3XoQDIoXKL

    中間報告の手続きを行うための動議は6月14日夜、与党の賛成多数で可決。一方、野党は午後9時30分すぎ、内閣不信任決議案を衆議院に提出し、抵抗を続けている。

    BuzzFeed Newsでは、各新聞社の共謀罪法案をめぐる報道姿勢について【「共謀罪」への立ち位置くっきり 主要5紙はどう報じたか、比べてみた】という記事にまとめています。