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六本木で火災、スプレー缶のガス抜き中に爆発か。廃棄時は「穴開けしないで」と環境省、安全な捨て方とは…?

廃棄時の「穴開け作業」を屋内でしたことによる火災や爆発事故、中身の噴出事故が相次いで発生。環境省は自治体に対し「穴開けをしない方向が望ましい」と、通知も出してきた。

1月16日午前、東京都港区六本木の7階建マンションで火災が発生。男性3人がけがをした。

共同通信などによると、けがをしたのは2階に入る不動産会社の従業員ら。スプレー缶のガス抜き作業をしていた最中に、爆発が起きたと話しているという。穴開け作業をしていたとする報道もある。

2018年に札幌市の不動産仲介店舗で、換気せずに未使用のスプレー缶120本のガス抜きを行った直後に給湯器を使った結果、爆発が起きて多数がけがをする事故が起きている。

スプレー缶の廃棄をめぐっては、環境省は「穴開けをしない方向が望ましい」とも呼びかけている。スプレー缶を安全に廃棄する方法を、改めてまとめた。

まず重要なのは、スプレー缶は使い切り、廃棄時には「ガス抜き」の作業を、火の気のない屋外で行うことだ。

札幌での爆発事故を受けて環境省は2018年12月、都道府県に対し、次の3点を通知した。

  1. 製品を最後まで使い切る
  2. 缶を振って音を確認するなどにより中のガスが残っていないか確認する
  3. ガス抜きキャップがある製品については、火気のない風通しの良い屋外でガス抜きキャップを使用して充填物を出し切る


一般社団法人「日本エアゾール協会」によると、ほとんどの製品では「ガス抜きキャップ」が装着されている。それぞれのタイプに合わせてガスを抜く作業が必要になるという。

そのうえで、「ガス抜き」の作業時には以下の点に注意するよう呼びかけている。

  • 中身を完全に使い切ってから火気のない風通しの良い戸外で行う
  • 中身が残っている製品で実施すると、可燃性ガスが多量に出て危険
  • 屋内で実施すると、残っているガスが部屋にたまることがあり危険


環境省は「穴開けしないで」

なお、キャップ別の作業方法はホームページ上に掲載されている。同協会が公表しているステップは以下の通りだ。

スプレー缶をめぐっては、これまで、回収時の爆発事故を防ぐために「穴を開けて捨てる」ことをルール化する自治体が多かった。

しかし、その廃棄時の「穴開け作業」を屋内でしたことによる火災や爆発事故、中身の噴出事故が相次いで発生。環境省は2009年から自治体に対し「穴開けをしない方向が望ましい」という風に伝え、通知も出してきた。

しかし、いまだ周知されているとは言えない状況だ。東京消防庁管内では、2008年から2017年までの10年間で、穴開けが原因の火災が260件発生している。

また、2016年時点で「穴開けしない」で回収する自治体の割合は、人口50万人以上の都市においては 71%だが、市町村全体では27%にとどまっているという。

こうしたことから、環境省は札幌市の爆発事故を受けた2018年にも再び同様の通知をしている。

とはいえ、いまだ自治体によってルールが異なるため、改めて自分の住んでいる自治体のルールを確認する必要がある。