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「社員が福田次官からセクハラ」と公表のテレビ朝日、会見を中継せず。疑問の声相次ぐ

各社はネットで中継したが…

テレビ朝日は4月18日深夜、自社の女性社員が福田淳一財務事務次官からセクハラ被害を受けていた、と発表した。

急きょ開かれた会見は、フジテレビが冒頭部分を生中継したほか、各社がネット上で会見の様子を配信した。

一方で当のテレビ朝日や関連会社はその内容を生中継で報じておらず、疑問の声も上がっている。

テレ朝もAbemaTVも報じず

女性社員のセクハラ被害については、テレビ朝日「報道ステーション」が番組内で公表。午前0時から急きょ、会見が開かれた。

なぜ、このタイミングでの会見だったのか。

テレビ朝日側は、女性社員の意向を確認したうえで今週中に公表しようとしていたが、「19時ごろにあのような会見があったので早めに伝えようと公表した」と、福田次官辞任を受けたものだった、と説明している。

この会見は、フジテレビが冒頭部分を生中継で、その後をネットで報じたほか、NHKや日本テレビ、TBSがネット上で生中継をした。

ただ、当のテレビ朝日や関連会社は、この会見を生中継していない。

テレビ朝日では通常通り、「マツコ&有吉かりそめ天国」と「イッテンモノ」を放送。また、サイバーエージェントとテレビ朝日が出資して設立した「AbemaTV」は「報道ステーション」の再放送を流すにとどめている。

「AbemaTV」は普段からさまざまな会見を生中継していることもあり、こうした対応について、ネット上では「セクハラに毅然と対応するつもりがあるのか」「テレ朝も問題ある」「姿勢が残念」「なぜ?」などの声が多く上がっている。

テレビ朝日の対応への指摘も

30分ほどで終わった会見では、そもそも被害を相談された段階で対応を誤っていたのではないか、との指摘が他社の記者から相次いだ。

「女性社員の相談を真摯に受け止め、報道していればこういうことにならなかったのでは」という質問については、「適切ではなかったこと、深く反省」と述べるにとどめた。

また、「相談のタイミングで被害者が傷ついたのでは」という指摘については、「いわゆる二次被害が心配されることを理由に難しいと伝えた」と繰り返した。

さらに、「セクハラへの認識が低かったのでは」との質問については、批判を受け入れるとしながら、「社内で共有されていなかった。これに関してはきちんと改めていきたい」と答えている。

女性社員は、「福田氏がハラスメントの事実を認めないまま辞意を表明したことをとても残念に思っている。財務省は事実を明らかにしてもらいたい」と述べているほか、「全ての女性が働きやすい社会になってもらいたい」とも話しているという。


BuzzFeed Newsでは会見の内容について【「社員を傷つける数々の行為があった」テレ朝が財務省セクハラ問題で緊急会見】で詳報しています。