まるでアニメの世界! 立体なのに平面のように見える、不思議なケーキが話題です。
ケーキデコレーターの吉田ななこ(@66db8x10)さんが、Twitterにケーキの写真を投稿したところ、2000回以上リツイートされ、2万件を超えるいいねが集まりました。
リプライ欄には「最高にかわいい♡」「すごい!平面に見える!」「立体感覚がバグる」といった反響が寄せられています。
2次元にしか見えない…
吉田さんのツイートによると、「現在世界で流行しているコミックケーキを作ってほしい」というオーダーで制作したそうですが、実際に制作されたケーキは、まさにコミックの世界から飛び出してきたような「二次元っぽさ」。
一体どうしたらこんなに立体感をなくせるんだろう…!?
BuzzFeedは、ケーキデコレーターの吉田ななこさんに話を聞きました。
吉田さんによると、立体のケーキを平面に見えるようにするには、まずデザイン自体をデフォルメし、配色をシンプルにすることがポイントとのこと。
しかし一方で、色彩をはっきりさせるために濃い色のシュガーペーストを使用しなければならず、扱いが難しい部分も多かったといいます。
「着色用の色素を多く使用するため、シュガーペーストが柔らかくなり、淡い色に比べると扱いづらくなります。またペーストを伸ばす際、作業台にくっつかないようにコーンスターチを手粉代わりに使用するのですが、これがペーストの表面に付いて白くならないよう伸ばすのが難しかったです」
他にも、太めのブラックラインを引くことで輪郭をハッキリさせたり、側面がマットに見えるようカバーリングをキレイにしたりと、細やかな工夫を施しているそうです。
憧れの人のサインとメッセージが渡英の決め手
今回投稿されたコミックケーキは、吉田さんがロンドンでケーキデコレーターとして活動するようになって初めての作品。
実際にお店にディスプレイされているのを見たときは、思わず「涙がポロポロ出てきました😭」「小さな女の子がパパと一緒に写真撮ってくれてるの見て更に泣けた😂」とも感想をツイートしています。
吉田さんがイギリスに渡ろうと思ったきっかけは3年前。世界的アイシングクッキーアーティスト・Marta Torresさんの講習会に参加し、そこでノートにサインとメッセージを書いてもらったことでした。
それまでは海外での活動について「自分には縁のないもの」と思っていた吉田さんでしたが、そのときから「いつか世界で活躍したい!」と考えるように。語学学校に通ったり、イギリスで開かれたシュガークラフトの国際コンペに挑戦したりといった行動をはじめ、今日の活動に至っているそうです。
「シュガークラフトはイギリスで広まった伝統技術ということもあり、海外に出たかったというよりは、どうしてもイギリスに行きたかったんです」
日本での作品をご紹介
コミックケーキのポップな作風とは打って変わって、これまでの吉田さんのケーキは淡い色の作品が主流で、お花やレースといった繊細なモチーフが多く使われています。
日本で活動していたときの作品がこちら。
桜の花が題材のケーキ
クリスマスをイメージしたケーキ
華やかさと繊細さを兼ね備えた表現に思わずうっとりしてしまいます。食べてしまうのがもったいない…!
中でも一番のお気に入りは、お祖母様の米寿祝いのために作ったシュガーケーキだといいます。
「当時の私にとっては作ったことのないようなデザインで、ずっと作ってみたかったケーキに挑戦した思い入れのある作品です。お花もとてもがんばりましたし、サイドのレースの装飾も繊細な模様になるように制作しました」