7月5日から記録的な豪雨で土砂災害や河川の氾濫が相次いだ福岡・大分両県。甚大な被害が出ている。
BuzzFeed Newsは、国内外問わず災害や紛争の被災地支援などをする認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」に同行し、7月6日、福岡県朝倉市内に入った。翌日、5日から6日朝まで孤立していた朝倉市立松末小学校(杷木地区)を取材した。
1. 小学校への道。その脇には、自衛隊や報道陣らの車がとまっていた。これ以上、車では進めないサインでもあった。
2. 歩くこと数十メートル。川の氾濫などにより、土砂に飲まれた家々や車が見えた。
3. 目の前には、茶色く濁った水が流れ、10メートル以上はある倒木がいたるところに転がっていた。降りしきる雨に打たれながら、荷物を持って避難する被災者の姿もあった。
4. 「ピースウィンズ・ジャパン」のレスキューチームに先導してもらえなければ、これ以上は進めなかったかもしれない。安全な場所を通りながら、進んでいく。
5. 川の氾濫により、いまにも倒壊しそうな家もあった。
6. 凄まじい勢いの濁流が土壌を蝕んでいく。道路が崩落した地点が数カ所あり、人が通るのがやっとの場所もあった。車が道路脇に並んでいた理由だった。
7. 松末交差点。車の下半分が埋まるほどの土砂が押し寄せていた。停電により、信号はついていなかった。
8. 山あいにある松末小学校は、2つの川の分岐点近くにある。川が氾濫し、校庭は土砂で埋め尽くされていた。すれ違う自衛隊員の顔から疲労が伺えた。
9. ここまでの道。濁流に足を入れざるをえなかった。防水靴の中にも土砂が入り、尋常ではない痛みを感じた。
10. 土砂が流れ込んだ校舎1階。瓦礫が積み上がっていた。
11. 1階の廊下は、いまも水浸しだった。時計は3時40分ごろで止まっていた。
12. 1階にある体育館。凶器と化した木々などの瓦礫で埋め尽くされていた。
13. 3階から集落を望む。川が氾濫し、数十メートルにもなる溝となった。これ以上進むのはあまりにも危険だ。
14. 教室には体育で使われるマットが敷かれていた。7月5日から小学生18人を含む54人が、不安な夜を過ごした。翌朝、陸上自衛隊が到着し、54人はヘリコプターや徒歩で再避難した。
15. 「へいこうまでラスト一年」。4年生が作ったとみられる新聞が、廊下に張り出されていた。
松末小学校は、2018年3月に閉校予定だった。しかし、豪雨が残りわずかだった学校生活を奪った。
新聞にはこう書かれていた。
「松末小学校へいこうまで、あと、一年になりました。みなさんは、どんな思い出がありますか」
「川のせせらぎ、とりのなきごえがいいところです」