俳優の津川雅彦さんが8月4日、亡くなっていた、とNHKなどが報じた。78歳だった。
今年4月に妻の朝丘雪路さんを亡くしたばかり。翌月20日、会見に臨んだ津川さんが語っていたことを振り返る。
車いすに乗って姿を見せた津川さんは当時、肺炎にかかった影響で、鼻には酸素吸入器、指には心拍数計をつけていた。
「お体は大丈夫なんですか?」。そう問われると、「大丈夫じゃないね」と返した。
「こんな格好をして大丈夫だって言ったら、嘘になるでしょ」
"僕が先に死んで、彼女を残すよりは"
朝丘さんは、亡くなる5年ほど前からアルツハイマー型認知症を発症。別居生活をやめ、3年前から自宅に引き取り、献身的に介護を続けていた。
会話は「全然」できなかったという。最後に言葉を交わした過去として挙げたのは、数ヶ月前のやりとりだった。
「『あら?』って、僕を見てね。俺と分かっててしゃべったかどうかな」
報道陣に「(津川さんだと)お分かりになったんですね」と言われると、「かな?」と笑顔を見せた。
介護生活については「何と言いますかね。僕が先に死んで、彼女を残すよりは、いい結果になりましたよね」と振り返った。
「全てに感謝です。娘を生んだことも含めて。僕より先に死んでくれたことも含めて」
そう朝丘さんへの思いを語っていた津川さん。会見から3ヶ月足らずしか経たないうちに、妻を追うように天国に旅立った。
死因は心不全。サンケイスポーツによれば、東京都内の病院で一人娘の女優、真由子さんらに看取られ、静かに息を引き取った。
葬儀はすでに近親者で済ませたという。