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伊藤詩織さん、高裁も勝訴 山口敬之さんに引き続き損害賠償命じる判決 山口さんの主張も一部認める

ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者の山口敬之さんに性行為を強要されたとして、慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が、東京高裁で言い渡された。高裁は一審に続き、伊藤さん勝訴の判決を下した。山口さんの主張も一部を認めた。

ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者の山口敬之さんに性暴力を受けたとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が1月25日、東京高裁であった。

中山孝雄裁判長は一審に続き、山口さんに損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡した。賠償額は一審(330万円)よりやや増え、約332万円とした。

一方、「虚偽の申告で名誉を傷つけられた」とする山口さんの反訴も一部認め、伊藤さんにも55万円の支払いを命じた。

判決を受け、伊藤さんは「ここまでこれたことを感謝しています。ありがとうございました」と話した。山口さんは25日夕に記者会見し、「判決文を読み込んで上告する準備に入る」と語った

一審での判決は

一審判決によると、伊藤さんは2015年4月、就職相談のため、当時TBSのワシントン支局長だった山口さんと会った。東京都内で食事し、2軒目の寿司屋で飲食した後、山口さんが宿泊していた都内のホテルに向かった。

伊藤さんは、寿司屋で記憶を失い、目を覚ますとホテルのベッドにおり、レイプされていることに気づいたと主張した。

山口さんは2019年2月、伊藤さんによる記者会見などで名誉を毀損され、社会的信用を失ったとして、慰謝料1億3000万円や謝罪広告の掲載を求めて反訴した。

一審の東京地裁は2019年12月、「酩酊状態で意識のなかった伊藤さんに、山口さんが合意のないまま性行為をした事実が認められる」として、山口さん側に330万円の損害賠償の支払いを命じた。

また、名誉毀損だとして反訴した山口さん側の請求は棄却した。

山口さんはこの判決を不服として、2020年1月に控訴していた。

55万円の支払いについて高裁の判断は

伊藤さんは、これまで記者会見や著書などを通し、山口さんから性被害を受けたなどと公表してきた。

高裁判決は、その目的は公益を図ることにあると認められるとしたうえで、「山口さんからデートレイプドラックを使用された」と主張したことについては、「真実と認められない」とした。山口さんのプライバシーを侵害し、社会的評価を低下させたなどとして、この部分に関しては伊藤さんに55万円の支払いを命じた。

更新

高裁が伊藤さんに55万円の支払いを命じた理由について、判決の内容を加えました。

また、山口さんの記者会見での発言を加えました。