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「互いにリスペクトを」 伊藤詩織さんが女子高校生たちに語りかけたこと

女子高校生約100人が集ったイベントで、ロールモデルの一人として参加した。

女性がもっと活躍できる社会を目指し、女子高校生たちが語り合うイベントが4月3日、国会内であった。

ジャーナリストの伊藤詩織さんが出席し、「性別や地位にかかわらず、一人ひとりをリスペクトするのが大切」と語りかけた。

伊藤さんは、元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏にレイプされたとして、今年5月に実名で記者会見をした。12月に慰謝料など1100万円を求める民事裁判が始まり、被告側は争う姿勢を示している。

イベントで伊藤さんは「性暴力やハラスメントは、必ずパワーバランスの中で起きます」と指摘。「先生と生徒、上司と部下のように。それがあると、なかなか自分から助けて、おかしいって言えません」と語った。

また、自ら受けた被害についての告発当時は「私の声が外に届くわけがないと思っていました」と振り返った。その上で、「こうして皆さんの前で話をしていて、びっくりしています。話せば必ず届く」と現状を変えるために声をあげる大切さを説いた。

伊藤さんはこの日、女子高校生約100人が集ったイベント「女子高校生未来会議」で、ロールモデルの一人として参加した。「国際教育」をテーマに課題と解決策を語る7人のグループに入り、どうすれば女性が生きやすい社会になるか議論をリードした。

「海外では、フラットな関係で見てもらいながら働けて幸せ。だから、みんなにはそんな風に仕事をしてほしいし、苦しんでほしくない」と語りかけ、性別に関係なく、一人の人間としてリスペクトするのが重要だと説明していた。

「we teach」プログラム

そんな伊藤さんがロールモデルとして加わった高校生グループ7人が、この場で私生活や実体験を語り合って考えたのが「we teach」プログラムだ。

「力の強い」先生らは、「力の弱い」生徒らが何を必要とし、何に不満を持っているのか話を聞く場が必要。そのため、先生らに自分の意見を表明できるよう、ディベートやパネルディスカッションをする環境を作るというものだ。

7人がイベントに参加した全員の前で、その概要を発表。その後、全体に向けて感想を求められた伊藤さんは「生徒たちが先生に教えるつもりになって、これがおかしい、これを変えてほしい、とディスカッションする場を作るのは、素晴らしいアイディアだと思いました」と評価した。

そして、「みなさんの声一つ一つに力があると思う。必ず声を出せば届くので、どんどん声を上げていってくれたらな、と思います」と呼びかけた。

伊藤さんの告発をきっかけで

イベント中、電車内で痴漢被害に遭った過去を伊藤さんに打ち明ける高校生がいた。親しい友人にもこれまで語れなかったといい、伊藤さんは「すごく勇気がいることだし、とても重要なこと。本当に大きな一歩」と驚いた様子だった。

また、伊藤さんの告発をきっかけに、アプリと連動する防犯アクセサリーを開発した高校生がおり、本人を前にプレゼンテーションする場面もあった。

真剣な顔でメディアに登場することが多い伊藤さんは、笑顔を見せる時間が大半だった。「すごく楽しかった。アクションを起こす世代だな、と思った」とリラックスした表情でBuzzFeed Newsに語ると、会場を後にした。


BuzzFeed Newsでは、伊藤さんによる手記『Black Box』についてのインタビュー記事「レイプ被害者が実名で声をあげる理由を知っていますか」を配信しています。

BuzzFeed JapanNews