西日本を中心とした記録的な豪雨により、各地で甚大な被害が発生している。
その一つが、愛媛県西予(せいよ)市だ。
川の堤防が決壊した岡山県倉敷市真備町と同様、濁流が押し寄せて冠水被害に見舞われた。
BuzzFeed Newsの取材によれば、同市では7月9日午前11時時点で計5人の死亡を確認した。行方不明者やけが人の情報は入ってきていないという。
市の災害対策本部によると、避難指示命令は3地域で継続している。
野村地区(発令時間7月7日午前5時10分)、宇和地区(同午前8時20分)、宇和町岩木(同8日午前10時5分)だ。
野村地区は肱川(ひじかわ)の氾濫、宇和地区は宇和川の氾濫、宇和町岩木は地域にある勝光寺近くで土砂災害の恐れがそれぞれあったためだ。
実際、野村地区では避難指示を発令した直後の7日朝、肱川が氾濫。愛媛新聞によれば、これにより住民5人が自宅近くや、移動中の車内で死亡した。
Twitterに助けを求める声
市内の被災者らはTwitterで、「報道が少ない。西予も忘れないでほしい」といった訴えを投稿している。被害状況を写真や動画で伝え、支援物資を求める声もある。
災害対策本部によれば、市や事前に協定を結んでいた企業など民間事業者による食料や衛生用品などの物資を被災者らに届けている。個人からの救援物資の受け入れは、まだしていない。
担当者はBuzzFeed Newsの取材に話す。
「徐々に道が通れるようになり、可能なルートから避難所に運んでいます。ただ、物資は不足しているのはたしかです」
「特に(肱川の水流が堤防を越えた)野村町は足りない状況です。食料や衛生用品などのリクエストが避難所から届いています」
肱川の氾濫から3日目を迎えた9日午前9時現在、市内の建物は、床上浸水584棟、床下浸水169棟の被害状況の報告が上がってきている。
雨は降っておらず、肱川の水位は下がっており、住宅地に押し寄せていた水も引いた。
ボランティアについては、ニーズを調査中でまだ受け入れをいつ始めるのか決めていない。
住民たちは豪雨による瓦礫を撤去するなどの対応に当たっているという。