日産・ゴーン元会長がカメラに訴えた4つのポイント 「無実」「陰謀」「愛」...

    日産自動車のカルロス・ゴーン元会長が知ってほしいこととは。

    日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン容疑者(65)の弁護団が4月9日、本人による動画を公開した。

    ゴーン元会長は動画で、自身への疑いはすべて「無実」だと訴え、事件は日産経営陣による「陰謀だ」と主張した。

    動画は約7分38秒で、4日に会社法違反(特別背任)容疑で再逮捕をされる直前に撮影したもの。

    白いワイシャツに紺色のジャケットを羽織った姿でカメラに向き合うと、英語で話し始めた。

    ゴーン元会長は、まず「動画を通じて私のお話をお聞きいただいているとすれば、私が4月11日に予定していた記者会見を開くことができなかったことになる」と切り出した。

    「私のメッセージのエッセンスを皆さんにお伝えするとともに、皆さんが抱いている多くの質問にお答えしたいと思います」

    そして、主に4つのポイントにわけて語った。

    1.「私は無実」

    最初に訴えたのは、「無実」だ。

    「私にかけられている全ての嫌疑について、私は無実です」

    「非難についても、また事実無根です。それらの非難は全て、私を強欲な人物、あるいは独裁的な人物として塗り固めるためになされたものです」

    2.「日本を愛し、日産を愛している」

    2つ目は「私は日本を愛し、日産を愛している」ということ。

    1999年に来日したのは「打算」のためではなく、「この国に魅了され、日産を再生させるという挑戦に心を躍らせたからです」とし、この気持ちは変わらないとの思いを示した。

    「日本に対する私の愛情、日産に対する私の愛情というものは、私がいま経験している厳しい試練を経た後であっても、少しも変わることはありません」

    3.「陰謀」説

    3つ目のポイントとして、事件の背後に、日産経営陣による陰謀があると主張した。

    検討されていた日産とフランスのルノーとの経営統合を数人の幹部が「恐れ」、「陰謀」「謀略」「中傷」に至ったという見方を展開した。

    「(経営統合は)ある人たちには確かな脅威を与え、それがゆくゆくは日産の独立性を脅かすかもしれないと恐れたのです」

    「独立性というものは、業績に支えられたものでなければなりません。独立性を得ること自体が目的となることはありえません。それが目的化してしまったために生じた恐れです」

    「今回の汚いたくらみを実現させるべく、仕掛けた多くの名前を挙げることができます。真相や事実が明らかになることを願っています」

    また、日産の業績不振についても言及し、現経営陣に問題があったと批判。そして、自身のやり方は「独裁」ではなく、「リーダーシップ」だと強調した。

    4.「公正な裁判」

    最後に、ゴーン元会長は「公正な裁判を受けることを最も強く望んでいる」と述べ、「無実を証明したいと切に願っています」と視聴者に呼びかけた。

    ゴーン元会長の逮捕は、4日で4度目となった。

    この事件の容疑は、日産の子会社「中東日産」から中東・オマーンの販売代理店の預金口座に振り込まれた資金の一部が、ゴーン元会長が実質管理する企業の口座に移され、日産に計500万ドル(約5億6300万円)の損害を与えた疑いがあるという。

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    法律事務所ヒロナカ提供