なんとなくわかっている。だけど、しっかり理解しておきたい「餅」の危険

    高齢者ほど窒息のリスクは高まる。

    年末年始に食べる機会が多くなる餅。

    消費者庁が12月25日、餅を喉につまらせる高齢者の窒息事故に注意するよう呼びかけた。

    【御注意ください高齢者の窒息事故!】餅の窒息事故は1月に集中!調理の段階であらかじめ小さく切っておくようにしましょう。家族などの周りの方は、高齢者がよくかんで食べているか、無理に飲み込んでいないかなどに注意して見守り、声を掛けるようにしましょう。詳細⇒https://t.co/7ESKesmQwk

    消費者庁によると、2007年〜16年の「人口動態調査」において、食べ物などが誤って喉頭と気管に入ってしまう状態「誤えん」などによる不慮の窒息事故は、高齢者の「不慮の事故」の中で最も死亡者数が多い。

    高齢になるほど死者数が多い

    「気道閉塞を生じた食物の誤えん」による人口10万人当たりの死亡者数につい て、年代別に見ていく。

    すると、16年は、07年と比べて死亡者数はおおむね減少しているものの、年代が上がるにしたがって死亡者数が増加する傾向は変わらない。

    さらに、東京消防庁によれば、「餅で喉を詰まらせた」ことによる高齢者の救急搬送者数のデータ(16年)を見ると、1月が男女ともに最多だ。

    高齢者ほど窒息のリスクが高まる理由

    餅を食べる機会が増えるのが大きな要因と考えられ、高齢になるほど窒息のリスクが高まるのは以下の理由があるという。

    「歯が衰えている、唾液の量が少ない、噛む力が弱い、飲み込む力が弱い」

    事故を防ぐ方法と応急手当

    こういった現状を踏まえ、高齢者自身だけでなく、年末年始を一緒に過ごす家族などによる最大限の配慮が求められる。

    では、どうやって事故を防ぐのか。消費者庁による安全な食べ方はこうだ。

    1. 餅は小さく切っておく
    2. 餅を食べる前に、先にお茶や汁物を飲んで喉を潤しておく
    3. 餅はよく噛んで、唾液とよく混ぜ合わせてから飲み込む

    そして、万が一事故が発生したらまずは119番通報をし、応急手当として「腹部突き上げ法」と「背部叩打法」が有効だとしている(詳しいやり方はこちら)。

    消費者庁は公式Twitterで、「家族などの周りの方は、高齢者がよくかんで食べているか、無理に飲み込んでいないかなどに注意して見守り、声を掛けるようにしましょう」と呼びかけている。