「LGBTは生産性がない」発言に自民地方組織から批判 支援団体からは辞任求める声

    「差別するような寄稿は遺憾」とする回答を支援団体に送った。

    自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が、「(LGBTなど性的少数者は)子供を作らない、つまり『生産性』がない」など差別的な文章を寄稿した問題。

    杉田議員の除名と議員辞職を求める要望書を自民党に提出した、北海道の性的少数者の支援団体に対し、同党北海道連が7月31日、「差別するような寄稿は遺憾」とする回答を送った。

    この返答をどう思ったのか。団体の代表が、BuzzFeed Newsに語った。

    杉田議員が寄稿したのは、月刊誌「新潮45」2018年8月号(新潮社)だった。性的少数者は「生産性がない」ために、税金で支援するべきではないとの自論を記した。

    これを受け、LGBT当事者の支援団体や個人でつくる「北海道LGBT市民の連合」は、要望書を自民党の二階俊博幹事長宛てに送り、同党北海道連にも提出。

    「恐ろしい選民思想にもとづき、LGBTの存在を根本から否定する悪質なヘイトスピーチであることに驚愕しています」などと強く批判し、杉田議員の除名と議員辞職を求めた。

    回答したのは北海道連のみ

    期限を設けたものの、31日までに回答があったのは、同党道連のみだった。

    回答書には「世界的な潮流を受け」「多様性を受け入れる社会の実現に向けて施策の推進に努めてきた」と主張。そうした中、問題があったとしてこう綴った。

    「LGBTの方々を差別するような寄稿を行ったことは遺憾であり、貴団体からの要望を重く受け止めております」

    今後は、党本部に「適切に対処するよう求め」「多様性が寛容される社会の実現を目指していく」と書いた。

    団体代表「一定の評価はしている」。だが...

    この回答に、北海道LGBT市民の連合の代表・鈴木賢明治大教授は、「最低限の回答。『遺憾』だとしたので、一定の評価はしている」とBuzzFeed Newsに話した。

    「少なくとも自民党北海道連は、杉田議員に賛同しておらず、違った考えを持っているとわかりました。本部で責任のある、しかるべき方と会えるならば、除名と議員辞職を引き続き求めていきたいです」

    鈴木教授は、杉田議員が比例代表中国ブロックで当選したことについて、「議席を与えたのは、国民というより(候補者名簿で杉田氏を当選可能な順位に置いた)自民党です」と指摘する。

    「辞めさせないのならば、杉田議員の考えは自民党の意思と同じ。それでいいのか、それでいいのなら国民はそういう政党だと認識すべきだ」

    また、二階幹事長が24日に会見で「人それぞれ政治的立場、いろんな人生観、考えがある」と発言した点にも苦言を呈した。

    「杉田議員の考え方を許容範囲とするのは、あり得ない。マイノリティを差別していいと容認する発言であり、とんでもない」

    北海道LGBT市民の連合では今後、地方発の同様の運動を全国に広げていきたいと考えているという。