先進国や新興国などの子どもたちの幸福度を調べたランキングで、日本は身体的な健康はナンバーワンだったが、精神的な幸福度ではワースト2位だった。
そんな調査結果を、ユニセフ(国連児童基金)が発表した。
経済協力開発機構(OECD)または欧州連合(EU)に加盟する38の国々の子どもの状況をランキングで示した。
ユニセフによると、調査は7年ぶりで、比較可能なデータを元に各国の子どもたちの状況をランキング形式で示した。
「身体的健康」「精神的幸福度」「スキル」の3分野での順位から、総合順位を決めた。
その結果によると、日本は以下のようになった。
「身体的健康」=38カ国中1位
身体的健康は、子どもの死亡率や肥満の子どもの割合から算出し、日本は38カ国中1位で、ナンバーワンとなった。
日本は、5~14歳の子どもの死亡率では、最上位とはならなかったが、「過体重または肥満である5~19歳の子どもと若者の割合」では、14.4%でトップとなった。
「精神的幸福度」=38カ国中37位
精神的幸福度は、15歳時点での生活満足度が高い子どもの割合や、若者の自殺率などから算出。日本は、38カ国中37位で、ワースト2位となった。
ワースト1位は、ニュージーランドだった。
「生活に満足している」と答えた子どもの割合は、最も低かったのがトルコ(53%)で、続いて日本(62%)、イギリス(64%)だったという。
「家族からのサポートがより少ない子どもたち、いじめに遭っている子どもたちは、精神的健康がより低い結果になった」と評価されている。
「スキル」=38カ国中27位
最後のスキルは、読解力や数学分野の学力、「すぐに友達ができる」と答えた子どもの割合から順位を決めた。
それによると、日本は38カ国中27位となった。
調査結果を見ると、読解力や数学分野の学力では平均を上回ったものの、「すぐに友達ができる」と答えた子どもの割合は平均を下回ったのがわかる。
3分野の順位から、「子どもの幸福度」の日本の総合順位は、38カ国中20位となったという。
前回の2013年の調査結果では、比較したデータが異なるが、日本は31カ国中6位という結果だった。
ユニセフ・イノチェンティ研究所のグニラ・オルセン所長は、新型コロナウイルス関連で、子どもや家庭へのサポートが、各国で「不十分だ」と指摘し、「子どもたちに安全で幸福な子ども時代を提供するために、多くのことをしなければなりません」とコメントしている。
全38カ国の「子どもの幸福度」の総合順位は、以下の通り。
1位:オランダ
2位:デンマーク
3位:ノルウェー
4位:スイス
5位:フィンランド
6位:スペイン
7位:フランス
8位:ベルギー
9位:スロベニア
10位:スウェーデン
11位:クロアチア
12位:アイルランド
13位:ルクセンブルク
14位:ドイツ
15位:ハンガリー
16位:オーストリア
17位:ポルトガル
18位:キプロス
19位:イタリア
20位:日本
21位:韓国
22位:チェコ
23位:エストニア
24位:アイスランド
25位:ルーマニア
26位:スロバキア
27位:英国
28位:ラトビア
29位:ギリシャ
30位:カナダ
31位:ポーランド
32位:オーストラリア
33位:リトアニア
34位:マルタ
35位:ニュージーランド
36位:アメリカ
37位:ブルガリア
38位:チリ