最大震度7を記録した北海道を襲った地震で、宿泊予約のキャンセルが相次ぐなど、道内の観光業に大きな打撃を与えている。
秋の行楽シーズンを前に影響は深刻化。自粛の行き過ぎを懸念し、各方面から積極的に観光に行ってもらいたいとの声があがっている。
高橋知事はメッセージで被災地への支援に対して感謝を述べた上で、震源地から離れた道内の大部分の地域では現在、地震発生前と同様の日常生活を送っていると強調。次のように呼びかけた。
「これから北海道は、鮮やかな紅葉が野山を覆い、水産物や農産物も美味しい実りの秋を迎えます。これまでと同様、国内、そして海外から多くの方々にお越しいただき、私たち道民と親しく交流していただくことを切に願っており、皆様の御来道を心より歓迎申し上げます」
このメッセージは、英語や中国語、韓国語、ロシア語の4ヶ国語に訳しており、9月18日に道のホームページに載った。
過度に萎縮しないようにと道民にも呼びかけ
また、道民向けのメッセージも発信し、被災地の早期の復興につなげるため、過度に萎縮することなく、普段どおりの生活を送ってほしい、とこう訴えた。
「今後は、一日も早く本来の活気ある北海道を取り戻していかなくてはなりません。このためには、道民の皆様一人一人が過度に萎縮せず、普段どおりの心豊かな生活を送っていただくことが何より大切です。また、こうしたことが、北海道経済の好循環を生み出し、被災地の早期の復興にも寄与するものと考えております」
「旅行やレジャーを通じ、道内各地の新鮮な食材、色鮮やかな山河の風景など本道の魅力を存分にご堪能いただき、ご自身はもとよりご家族や職場の皆様とともに、鋭気を養っていただくことを心より願っております」
熊本市長も「観光に行って」
一方、2016年の熊本地震による観光業への影響を経験した、熊本市の大西一史市長は「北海道に観光に行って下さい。北海道に行って泊まって美味しいもの食べるだけで復興支援です」とTwitterを更新した。
過去を振り返り、「熊本地震後、地震の影響の無い九州各地でキャンセルが相次ぎ大変でしたので気持ちがわかります」ともつづった。
北海道は知事メッセージにあわせ、宿泊施設やライフラインなどの現状を表にまとめ、発表している。
それによれば、震源地周辺の一部を除き、道内ほぼ全ての地域で宿泊施設や飲食店・コンビニが通常営業している。
公共交通機関や航空路線、ライフラインについても、ほぼ支障なく利用できるのがわかる。
また、アルピニストの野口健さんは18日、Twitterで地震後に北海道を旅行した友人のブログが「不謹慎」を理由に炎上したことに苦言を呈した。
そして、「全くもって現地の状況を理解していない意見。観光のキャンセルがどれだけ北海道を苦しめているのか。僕も時間を作り北海道を旅します!」と気持ちを語った。