全国各地で連日続く猛暑の影響で、危険な日が続いている。
東京消防庁によると、救急車の出動件数は1936年の業務開始以来、ここ数日で過去最多を更新し続けており、都内で観測史上初めて40度以上を記録した7月23日には3383件にのぼった。
これまでほとんどが冬季で占められていた1日ごとの出動件数の上位が、23日までの7日間で全て塗り替えられた異常事態だ。
到着までの時間を遅らせまいと予備の救急車を連日出動せざるを得ない状況になっている。
東京消防庁によると、けがや脳梗塞、熱中症の疑いなど全ての症状を理由にした1日ごとの出動件数は7月17日に一気に増え、2900件に。1936年の業務開始以来82年間の過去最多を更新した。
これまで最多だったのは、2018年1月24日の2826件。大雪の影響で転倒などのけがをした人が多かったという。
こうした冬の出動が、これまで出動件数の上位をほとんど占めていたが、今年は7月17日以降、全日で18年1月24日の件数を超えた。
7月23日には3383件で、21日から3日連続で1位を塗り替えた。
上位8位までが全て2018年となり、17日以降で上位7位までを独占した。
到着まで時間がかかる懸念も
熱中症の疑いで運ばれた人は、17日からどの日も250人以上となった。23日は年内最多の371人だった。
昨年1年間の熱中症搬送者数の合計は3454人。今年はそれをすでに大きく上回り、7月23日までに3915人(速報値)を記録している。
救急車の利用者が増え、さらには一つの時間帯に出動要請が集中すると、到着まで時間がかかるおそれがある。
近くに出動できる救急車がおらず、遠方から駆けつけなければならない場合があるからだ。
熱中症だけでなく、ほかの症状を訴える人にまで影響を及ぼしかねないという。
救急車の台数を増やすしかない
それゆえ、東京消防庁では通常、救急車253台を日々の出動に回しているが、この猛暑のせいで足りていない。
故障など万が一のために予備で待機している救急車を連日出動に回し、できるだけ支障がないようにしている。
21、22日には30台ずつ、23日には47台を加えたという。
同庁の広報担当者はBuzzFeed Newsにこう語る。
「到着まで時間がかかることがありますが、できるだけ支障がないようにするため毎日台数を増やしています。ここまで増やすのは、私の中では記憶にありません」
同庁では熱中症対策として、こまめな水分補給と冷房を使った温度管理のほか、屋外での活動中止の判断を適切にするよう、注意を呼びかけている。
また、救急車を呼ぶべきか迷った場合には、救急相談センターの電話番号「#7119」や、最寄りの消防署の医療機関案内の利用を推奨している。