安倍晋三首相の施政方針演説などに対する各党の代表質問が1月24日、衆院本会議で始まった。
立憲民主党の枝野幸男代表は、陸上自衛隊員1人が死亡した草津白根山の噴火について言及。
その中で、「被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げます」との言葉が、「お祝いを申し上げます」と発言したとして、ネット上で拡散している。
結論から言うと、これは間違いだ。枝野氏は同日中に、自分の滑舌のせいで心配をかけたとし、「『お見舞い』と正確に聞き取れた方が大部分だったと思うのですが…」と述べた。
代表質問に立った枝野代表は、「立憲民主党代表の枝野幸男です。質問に先立ち、一言申し上げます」と挨拶した後、以下のように述べた(立憲民主党・公式 Facebookより)。
草津白根山の噴火によって、訓練中の自衛官の方が亡くなられました。心から哀悼の意を表します。また、被害にあわれた皆さんにお見舞い申し上げます。二次被害に十分注意しながら、万全の対応を政府にもお願いします。
ネット上では、党の支持者でも「お祝い」と聞き取った人がいたようだが、何度も聞き直すと「お見舞い」と適切な言葉を述べているとわかる。
枝野代表は1月24日夜、公式Twitterで、支持者のツイートを引用リツイートする形で「『お見舞い』と正確に聞き取れた方が大部分だったと思う」とした。
だが、「お祝い」とする誤った認識は、Twitterを中心に広まり、複数の記事にもなって拡散し続けている。
該当部分の動画に「被害に遭われた方に『心からお祝い』するのが立憲民主党なようです」などの言葉を添えたツイートは、1万4000件以上リツイートされている(1月25日午前11時現在)。
記事で最も拡散しているのは、ネットメディア「netgeek」の記事「【炎上】枝野幸男、噴火被害の自衛隊員に「お祝い」を申し上げる(動画あり)」だ。
計測ツール「BuzzSumo」で調べたところ、TwitterとFacebookで約5500回シェアされている(同)。
netgeekは、「枝野幸男代表が『お祝いを申し上げます』と発言した」とした上で、「証拠動画」として動画を引用。次のように記した。
正しくは「お見舞い」だろう。ただの言い間違いだとは思うが、これが自民党議員ならマスコミは大バッシングしていたはずで、netgeekではこうして記事にする価値があると思って取り上げることにした。
一方、ウェブメディア「Share News Japan」の記事「枝野幸男「噴火によって被害に遭われた皆さんに『心からお祝い』を称します」(※動画あり)」は約4300シェアされ、「保守速報」や「ハムスター速報」のような「まとめサイト」などによる多くの記事も広まっている。
枝野幸男事務所は、今回の騒動に対して「常識的に考えてほしい」とBuzzFeed Newsに話した。
「誰がお祝いするんですか?選挙で選ばれる国会議員が、普通に考えてそんな発言をするわけがないです。枝野さんがTwitterで話されたことが、全てです」
枝野代表は1月22日夕には、このように Twitterに投稿し、文章でも哀悼の意を表している。