犬と猫に、新たな飼い主は現れるか 殺処分機「ドリームボックス」のボタンを押してはならない

    東京五輪までに殺処分ゼロは達成できるのか

    犬と猫の殺処分をゼロにすることは、動物愛好家たちの願い。「2020年の東京五輪までに」が合言葉になりつつある。

    写真とともに、殺処分の現状を見ていきたい。

    2015年度、全国の犬と猫の殺処分数は約8万3000頭。引き取った犬猫のうち殺処分される割合は60.6%。41年前は、殺処分数が約122万頭、殺処分率97.7%だった。右肩下がりだ。

    殺処分数が減っている理由は、収容頭数が減っていることも大きい。15年度は13万7000頭。なんと、41年前のおよそ10分の1だ。

    どのように殺処分されるのか。かつて、神奈川県動物保護センターであった殺処分の流れはこうだった。

    この施設は、2013年に犬の殺処分ゼロを達成し、翌年から犬猫両方の殺処分ゼロを続けている。

    右端の房に入れられた犬は、1日ごとに両側の壁が左にスライドして隣の房に。

    命の猶予は5日間。飼い主が現れないと、毎日、壁が動いて最後の房に。翌日には、殺処分機へ。命の期限は短い。

    殺処分機。その名は「ドリームボックス」。導入当時、”画期的な最善の安楽死”といわれていたという。

    緑色の「処分起動」ボタンが何度も押されていた。数十匹の犬が押し込められた殺処分機に、二酸化炭素ガスを注入。

    15分間。設定された殺処分に要する時間だ。いまも針は「15」を指し示していた。

    息絶えた犬は、焼却炉に。殺処分ゼロを達成したこの施設には、今はもう必要ない。

    全国の施設にいる犬と猫は、”捨てられた”だけが理由ではない。迷子になったペットを探す飼い主はこんなにいる。

    飼い主の情報が入ったマイクロチップを埋め込めば、飼い主のもとに帰れる可能性は高いのに。

    施設にいるのは、犬と猫だけではない。カメや鳥もいる。

    責任をもって、動物を飼えますか?どんな命も、あなたの愛情を求めています。こんなかわいい顔で助けを待っているのです。