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コンビニの外国人従業員に味方はいる。新宿ゴールデン街で起きた差別

国はいま、外国人をより多く招く方向に舵をきっている。そんな中で、問題は起きた。

東京・新宿ゴールデン街。ここにあるコンビニ、ファミリーマート・新宿ゴールデン街店で3月、特定の利用客から外国人店員に対して差別的な発言があった、と怒りの声を上げる張り紙が掲示された。

これを見かけた男性が写真に収めてTwitterにアップすると、広く拡散した。

何が起きたのか。男性、そしてファミリーマートの見解は。

Kensuke Seya / BuzzFeed

3月11日に来店した際、張り紙に気づいてTwitterに投稿したのは、お笑い芸人の石塚さん(@HaruhiyaNishin)だ。

「特定のお客様から人種差別と言わざるを得ない発言がありました」。今後、同様のことがあれば、「差別として強力に抗議いたします。またそのような方の来店を拒絶致します」

張り紙は、問題を強い調子でそう指摘していた。

ラーメン大好き石塚さん / Via Twitter: @HaruhiyaNishin

多様性を認めるゴールデン街に「こんな人いる!?」

「差別的な発言があったと知って、許せないなと思ったんです。みんな、生きているだけで辛い思いをすることもあるのに」

BuzzFeed Newsの取材に、石塚さんは張り紙を投稿した理由を語った。

石塚さんは芸能活動のかたわら、ゴールデン街のバーで働いている。仕入れのため、よくこのコンビニに足を運ぶ。店員はみんな、接客が良いという印象があるという。

Kensuke Seya / BuzzFeed

ゴールデン街。外国人観光客の姿も多い。

戦後間もない頃の面影を残すゴールデン街は近年、その独特の雰囲気が外国でも知られるようになり、訪れる外国人観光客が急増している。

そして飲食店の従業員にも、お笑い芸人やバンドマンなど、さまざまなバックグラウンドの人々がおり、もともと「多様性を認める街」だと、石塚さんは考えている。

「だから、張り紙を読んでむかついちゃって。この街に『こんな人いるの?』って思ったんです」

従業員にかけた言葉

Kensuke Seya / BuzzFeed

石塚さんが張り紙に気づいた時、このコンビニには外国人の店員がいた。この店員が差別発言を受けたかどうか、どんな発言があったのかは、配慮して聞かなかったという。

一方で石塚さんは、客からの差別的な発言があったのは、これが初めてではないだろうと感じている。

「本人は日本という外国で、一生懸命頑張っているんです。それなのに、人を傷つける発言を許すべきじゃないです」

「だから、『日本人は悪い人ばかりじゃないからね、大丈夫だよ』と店員さんに声をかけたんです。笑顔になって、嬉しそうでしたよ」

Kensuke Seya / BuzzFeed

ファミマ本社は「外国人は貴重な戦力」

ファミリーマート本社の広報担当者によると、ファミリーマートは全国に約1万6400店舗ある。そこで働く従業員のうち、7%が外国人だという。およそ10人に1人という割合になる。

全国的に労働力不足が続く中で、24時間営業を維持するため、外国人の存在は欠かせないと言えるだろう。

広報担当者は「外国人の方は、貴重な戦力として我々は考えている」と言う。

そのうえで、「(全国にいる外国人の従業員に対して)お客様に配慮していただきたいとは思いますが、具体的なコメントは差し控えます。今後も外国人の方が働きやすい環境づくりに努めます」と語った。

Kensuke Seya / BuzzFeed

剥がされた張り紙

張り紙は、BuzzFeed Newsが同店を訪れた3月11日の夕方には、すでに剥がされていた。本社によれば、「剥がせ」といった指示は出していないという。

Kensuke Seya / BuzzFeed

この動きを見て、石塚さんは「剥がすべきではなかった」と訴える。

「あの張り紙で、従業員は『守ってもらえる』と安心するし、加害者の人も『ハッ』と自分の過ちに気づけるはずです」

「外国人の方は、日本で何か言われても、なかなか言い返せないですよ。間違ったことをしていないんだから、貼り続けるべきです。本社も、差別的な発言はダメだとはっきりと言うべきです。結果として、評判が上がると思います」

Kensuke Seya / BuzzFeed

それを裏付けるように、石塚さんのツイートは13日午後5時現在、2万4千件以上リツイートされている。

そして、寄せられたコメントのほとんどが好意的なものだった。

「素晴らしい対応」「いいな。こういう毅然とした態度」「この店は良い店だ」。そんな言葉が並ぶ。

全国で働く外国人へ

国は、外国人を労働者として受け入れる方向に舵をきった。

4月、外国人労働者の受け入れを拡大する、改正入管難民法が施行される。新制度のもと、5年間で最大34万5千人の外国人が労働者として来日することになる。

また、2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控える。

Kensuke Seya / BuzzFeed

張り紙は、そんな中で現れた。石塚さんは憤る。

「互いの違いを認めて、外国人と接する寛容さがなくちゃ。自分が、差別的な発言をされたとき、どう思うのか。そういった想像力が大事だと思うんです」

そのうえで、全国で働く外国人にこう伝えたい、という。

「もっと堂々して良いんです。そして日本人に信頼感を持って、頼ってほしいです。私は、差別的な発言をする人を見つけたら、その場で怒ります」

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Contact Kensuke Seya at kensuke.seya@buzzfeed.com.

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