台風13号の接近に伴って9月8日午前、千葉県南部では線状降水帯が発生。非常に激しい雨が同じ場所で降り続けました。同県市原市の観光名所・養老渓谷では養老川が氾濫。付近の温泉街が浸水している様子が動画で伝えられました。
養老渓谷観光協会の公式アカウントが同日午前11時51分にX(旧Twitter)に投稿した動画によると、養老渓谷と温泉街のシンボル的な存在である朱色の「観音橋」のたもとまで水が押し寄せています。付近の温泉旅館も浸水していることが分かります。
同協会では小湊鐵道・養老渓谷駅付近は「通信障害が発生しており、携帯も使えません」「電波を求めて、温泉街へ向かいましたら、こんなことに…」と訴えていました。
同協会によると、この浸水で人的な被害はなく「あっという間に水も引き、道路上の流木・土砂の撤去作業も始まりました」と午後3時17分に投稿しています。
市原市役所の公式サイトに掲載されている観音橋の写真を見ると、渓谷にかかった観音橋の橋桁はかなりの高さがあることが分かります。
男女3人が浸水した住宅に取り残されるも避難
市原市消防局によると午前11時半ごろ、養老渓谷がある市原市戸面(とづら)で「川から水が入ってきている。連絡が取れない人がいる。1階が浸水している」と119番通報がありました。
水が流れ込んだ養老川近くの住宅に、60代から80代の男女3人が取り残されていましたが、3人は自力で脱出し避難しました。
同消防局によると午後6時現在、市原市内で負傷者や行方不明者は確認できていないそうです。
台風13号は熱帯低気圧に変わる見込みだが、激しい雨が降りやすい状況が続く
台風13号は、9日未明までに東海道沖で熱帯低気圧に変わる見込みだと気象庁が午後4時53分に発表しました。
関東甲信地方では、線状降水帯による非常に激しい雨が降りやすい状況が続いています。関東甲信地方や東北地方では、9日にかけて土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒するように促しています。