TBS日曜劇場『VIVANT(ヴィヴァン)』が9月17日に最終回を迎えました。堺雅人さんが演じる主人公、乃木憂助がラストシーン近くで言った謎のセリフがSNSで話題になっています。
※この記事にはネタバレがあります。
問題となった言葉が出てきたシーンは?
乃木は自分の父親で、テロ組織「テント」を率いてきたノゴーン・ベキ(役所広司さん)ら3人を銃で撃って殺害したかに見えました。その後、バルカ共和国に住む乃木の弟、ノコル(二宮和也さん)は「墓はバルカに建てさせてほしいが、構わないか?」と乃木に尋ねました。
すると乃木は「こうてんしんなくただとくをこれたすく」と謎の言葉を告げた後、「花を手向けるのは、まだ先にするよ」と墓参りを辞退したのでした。筆者もドラマ視聴時、聞き慣れない言葉だっただけに「今、何と言った?」と混乱してしまいました。
中国の古典文学『書経』の言葉だった
あとで調べてみると、これは中国の古典文学『書経』を元にしたことわざで「皇天(こうてん)親(しん)無く惟(ただ)徳を是(これ)輔(たす)く」というものでした。
『故事俗信 ことわざ大辞典』第一版(小学館)を引くと、「皇天は天の敬称」とした上で、次のように意味を解説していました。
「大いなる天は、特別に誰とだけ親しくなるということはしない。ただ徳を行う者を援助するだけである」
ふむふむ……。要するに「徳のある者は自然と救われる」といった言葉のようです。このことから、乃木は父親らテントの幹部3人を殺害したふりをして、命を助けたのでは?という憶測がSNS上で噴出しました。
💬「お父さんをひいきしたのではなく、孤児達のために得を積んできたことに対して公平に助けた」
💬「これはベキ生きてるよね?花を手向けるのはまだって言ってたしね!? 」
💬「あの銃の腕前だから3人は生きてて、火事で煤になって判別つかないってことにしちゃったんだよね」
はたして『VIVANT』の続編に向けた含みを持たせたセリフだったのでしょうか。視聴者の期待を膨らませつつの大団円でした。