「皇天親無く惟徳を是輔く」ってどういう意味?『VIVANT』最終回、堺雅人の謎のセリフで憶測呼ぶ

    「これはベキ生きてるよね?」視聴者から多くの憶測が出ています。

    TBS日曜劇場『VIVANT(ヴィヴァン)』が9月17日に最終回を迎えました。堺雅人さんが演じる主人公、乃木憂助がラストシーン近くで言った謎のセリフがSNSで話題になっています。

     

    ※この記事にはネタバレがあります。

    堺雅人さん(2013年撮影、Getty Images)

    問題となった言葉が出てきたシーンは?

    乃木は自分の父親で、テロ組織「テント」を率いてきたノゴーン・ベキ(役所広司さん)ら3人を銃で撃って殺害したかに見えました。その後、バルカ共和国に住む乃木の弟、ノコル(二宮和也さん)は「墓はバルカに建てさせてほしいが、構わないか?」と乃木に尋ねました。

    すると乃木は「こうてんしんなくただとくをこれたすく」と謎の言葉を告げた後、「花を手向けるのは、まだ先にするよ」と墓参りを辞退したのでした。筆者もドラマ視聴時、聞き慣れない言葉だっただけに「今、何と言った?」と混乱してしまいました。

    中国の古典文学『書経』の言葉だった

    あとで調べてみると、これは中国の古典文学『書経』を元にしたことわざで「皇天(こうてん)親(しん)無く惟(ただ)徳を是(これ)輔(たす)く」というものでした。

    故事俗信 ことわざ大辞典』第一版(小学館)を引くと、「皇天は天の敬称」とした上で、次のように意味を解説していました。

    「大いなる天は、特別に誰とだけ親しくなるということはしない。ただ徳を行う者を援助するだけである」

    ふむふむ……。要するに「徳のある者は自然と救われる」といった言葉のようです。このことから、乃木は父親らテントの幹部3人を殺害したふりをして、命を助けたのでは?という憶測がSNS上で噴出しました。

    💬「お父さんをひいきしたのではなく、孤児達のために得を積んできたことに対して公平に助けた」

    💬「これはベキ生きてるよね?花を手向けるのはまだって言ってたしね!? 」

    💬「あの銃の腕前だから3人は生きてて、火事で煤になって判別つかないってことにしちゃったんだよね」

    はたして『VIVANT』の続編に向けた含みを持たせたセリフだったのでしょうか。視聴者の期待を膨らませつつの大団円でした。

    『VIVANT』最終回の予告編映像

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    TBSのYouTubeチャンネルより / Via youtube.com