これまでの経緯は?東京・池袋でのステージショーで物議
2月から放送中の人気TVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』(通称:ひろプリ)では、レギュラー男性キャラクターとしては初のプリキュア「キュアウィング」が登場しています。
「シリーズを続けていくには、チャレンジが絶対に必要。いずれ、プリキュアは女性に限らなくていいと考えていたので、20年の節目に男子のプリキュアを誕生させました」
東映アニメーションのエグゼクティブプロデューサーである鷲尾天(わしお・たかし)さんは会見でこう語っていました。
しかし、このキュアウィングには不思議なことがありました。バンダイから、子どもたちがプリキュアになりきれる衣装「変身プリチューム 」が発売されていますが、同作品にこれまで登場している4人のプリキュアのうち、キュアスカイ、キュアプリズム、キュアバタフライという他の女性キャラ3人については発売済みなのに、なぜかキュアウィングの衣装だけ発売されていなかったのです。
私事ではありますが、筆者の3歳になる娘も「ひろプリ」が大好きです。しかし、雑誌のプレゼントコーナーなどでの衣装の紹介を見た際に「なんでキュアウィングの服がないの?」と問われて、答えに窮することもしばしばでした。そういうときは、ファンが独自に作ったキュアウィングの衣装をGoogleの画像検索で見せて「ほら、ウィングのもちゃんとあるんだよ」とごまかしていました。
そんな中、8月21日以降、SNS上で大きな議論が起きていました。東京・池袋で8月4日から開かれている「ひろプリ」のステージショーには、子どもたちがプリキュアの衣装を身につけて撮影してもらう「なりきり写真館」というコーナーがあるのですが、やはりキュアウィングの衣装だけなかったのです。
プリキュア好きの男の子がこのコーナーを訪れたものの、「キュアウィングの衣装だけ当然のように無く息子はぽろぽろと泣き、塗り絵して帰ってきた…悲しい」とX(旧Twitter)で無念さをにじませた母親の投稿が3万回以上もリポストされるなど、反響を呼んだのです。
エンタメ系ニュースサイトの「ENCOUNT」がイベント主催者に取材したところ、このコーナーで使用した衣装はバンダイの物を使用しており、「そもそもの販売展開が3種類のみでキュアウイングの衣装は市販されておりません」との回答でした。
この報道を受けて、SNSでは「男や成人だってプリキュアになれたことを謳ってる以上は、出さなきゃマズイし、子供の夢を守るのが公式の1番の仕事でしょ」「男の子以外にもキュアウィングの衣装を来たい女の子もいるだろうし、作品内にキャラとして出すなら作って上げてても良かったのに」などの声が出ていました。
これまで販売しなかった理由は?⇒「ご回答を差し控えさせていただきます」(バンダイ)
BuzzFeed Japan編集部では8月22日、プリキュア関連商品を展開するバンダイに「キュアウィングの衣装の販売予定はあるのか?」と問い合わせていました。
バンダイからは23日に回答があり、キュアウィングの衣装の発売が決まった旨が知らされました。ただし、これまで販売しなかった理由や、急きょ発売を決めた経緯については「商品開発・販売に関する個別の詳細につきましては、ご回答を差し控えさせていただきます」としてノーコメントでした。
なお、大阪・東京・横浜にあるオフィシャルショップ「プリティストア」が、9月15日からキュアウィングも含めた衣装で撮影できるフォトスタジオを準備していることもSNSで発表されています。