ガザ地区への原爆投下は「選択肢の一つ」。発言したイスラエルの閣僚が無期限停職

    「ガザには無実の者など存在しない」と人道援助すら否定していました。

    イスラエルの閣僚がガザ地区への原爆投下を「可能性の一つ」と述べました。世界中に反発が広がり、この発言をした閣僚には無期限停職の処分が下りました。ポリティコ・ヨーロッパ版などが報じました。

    ガザ地区への原爆投下を「選択肢の一つ」とする発言をしたアミハイ・エリヤフ文化遺産大臣の公式Xアカウント

    「ガザには無実の者など存在しない」と人道援助すら否定

    問題となった発言をしたのは、極右政党「ユダヤの力」に所属するアミハイ・エリヤフ文化遺産大臣です。現地時間11月5日、地元ラジオ局「コル・バラマ」に出演しました。

    エルサレム・ポストなどによると、インタビュアーがイスラエルはこの地区に原爆を投下すべきかと尋ねると、エリヤフ氏は「それも選択肢だ」と答えました。

    ガザ地区への人道支援について「我々はナチスに人道援助を与えることはなかっただろう」「ガザには無実の者など存在しない」として否定的な見解を示しました。

    ガザ地区に住むパレスチナ人の運命については「彼らはアイルランドに行くことも、砂漠に行くこともできる。ガザの怪物たちは自分たちで解決策を見つけるべきだ」とも発言していました

    エリヤフ氏は原爆発言を「たとえ話だった」と釈明

    大量虐殺をいとわない発言は、イスラエルの国内外から大きな反発があり、ネタニヤフ首相は火消しに追われました。5日、X(旧Twitter)を更新して、エリヤフ氏の発言を「事実に基づいていません」と否定。イスラエルとイスラエル国防軍は「無実の人々への危害を避けるため、国際法の最高基準に従って活動しています」と説明しました。

    Prime Minister Benjamin Netanyahu:

    Minister Amihai Eliyahu's statements are not based in reality. Israel and the IDF are operating in accordance with the highest standards of international law to avoid harming innocents. We will continue to do so until our victory.

    — Prime Minister of Israel (@IsraeliPM) November 5, 2023
    Twitter: @IsraeliPM

    文化遺産大臣を無期限停職とする処分が下ったエリヤフ氏もXを更新しました。

    「賢い人にとっては、私の原爆に関する発言は、たとえ話だということが明らかだ」と釈明しつつも、「テロに対する強力かつ不釣り合いな対応が間違いなく必要」と武力行使を支持しています。

    Twitter: @Eliyahu_a

    ポリティコ・ヨーロッパ版は、東で最も強力な軍隊の一つを持つイスラエルについて「公に核実験を行ったことはないが、核兵器を保有していると広く信じられている」と報じています。