「赤ちゃんが投げ出されて転落した」危険なベビーカーの“エスカレーター”利用。事故が起きる理由とは?

    エスカレーターにベビーカーを乗せる行為は危険です。自分だけでなく、周囲の人も巻き込む可能性があります。

    エスカレーターでベビーカーから赤ちゃんが転落したのを親族が目撃した、というツイートが話題となり、Twitterで一時「ベビーカー」がトレンド入りした。

    ツイートは非公開になっており、内容の詳細は確認できない。しかし、エスカレーターにベビーカーを乗り入れることは、実際に危険な行為だ。

    子どもが転倒や転落をしたり、周囲の人を巻き込んだりするリスクがある。

    エスカレーターの業界団体は、ベビーカーをエスカレーターに乗せることは避けるよう呼びかけている。

    子どもが10段下まで転落

    消費者庁などには、ベビーカーに関連した様々な事故が報告されている。

    例えば、ベビーカーと一緒に下りのエスカレーターに乗ろうとしたところ、ベビーカーが引っかかって0歳児の赤ちゃんが投げ出され、10段下まで転落。頭蓋内を損傷して入院した。

    このほか、ベビーカーが上りエスカレーターに引っかかって緊急停止したため、立って乗っていた周囲の人が前のめりになり、首や背中を痛めたという事案もあった。

    17%が「利用してしまうことがある」

    エスカレーターとエレベーター関連企業などでつくる一般社団法人「日本エレベーター協会」(東京)が実施した調査では、「ベビーカーでエスカレーターを利用してしまうことがある」と回答した人は2021年度、17%(回答総数2381人)だった。

    Twitter上でも「駅のエレベーターはいつも混んでいて全然乗れない」といった声は出ている。

    しかし、同協会の担当者によると、ベビーカーの幅はエスカレーターのステップの幅より大きく、ベビーカーの4つの車輪を一つのステップに置くことはできない。

    このため、どうしても一部の車輪が宙に浮いた状態になるため、ベビーカーが傾いてしまう。

    この際、ほかの利用者とぶつかったり、転倒したりすると、そのまま転落し、周囲の人を巻き込む可能性がある。

    もし、エレベーターがない場合は……

    また、エスカレーターは安全装置の作動や停電で急停止することがあり、この際にバランスを崩して転倒することもあるという。

    もし、エレベーターがない場合は、駅員や店員らに声をかけ、補助を頼むことが重要だ。

    日本エレベーター協会の担当者は「大切な子どもにけがを負わせ、周囲の人を巻き添えにする危険性がある。ベビーカーをエスカレーターに乗せることはやめてほしい」とした。