「下関国際、甲子園準優勝おめでとう」ふぐ、海、歴史…山口県出身の記者が下関の魅力をたっぷり紹介します

    甲子園決勝が行われ、仙台育英が優勝を果たしました。山口県代表の下関国際は惜しくも敗れましたが、全力プレーで山口県民に感動を与えました。

    全国高校野球選手権大会は8月22日、阪神甲子園球場で決勝戦が行われ、仙台育英(宮城)が下関国際(山口)を8対1で破り、東北勢初の優勝を果たしました。

    優勝旗が初めて「白河の関」を越え、東北に感動を与えた仙台育英。SNSでも祝福する声が相次いでいます。

    一方、64年ぶりの県勢優勝を目指した下関国際は惜しくも敗れましたが、春センバツ優勝の大阪桐蔭(大阪)や準優勝の近江(滋賀)を破るなど大きな注目を集めました。

    山口県出身の筆者(相本)も下関国際ナインの気迫あふれる全力プレーから感動をもらった1人。

    準優勝を祝福し、下関国際の地元・下関市をたっぷり紹介します。

    下関市とは

    下関市は本州最西端に位置し、人口は約25万人。

    関門海峡を眼前に九州を望むことができ、港町や国内外の人や物が行き交う交流都市として栄えてきました。

    豊かな自然と味覚のほか、歴史的にも「壇ノ浦合戦」や「宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の決闘」などの舞台になりました。

    それでは、どのような観光スポットがあるのでしょうか。

    エメラルドグリーンの海

    まずは下関市北部にある「角島大橋」。

    SNSや車のCMにも使われる絶景スポットで、日本屈指のエメラルドグリーンの海と白い砂浜が特徴です。

    島には明治9年に初点灯した「角島灯台」があり、絶景のパノラマが広がります。

    夏休みになると、大勢の観光客が訪れ、海水浴やキャンプを楽しんでいます。

    次は、関門の台所「唐戸(からと)市場」です。

    ふぐの市場としても有名で、地元漁師らが魚を直接販売しています。

    土日と祝日には朝から旬の魚をリーズナブルに買えるイベントを開催しており、屋台が出て握り寿司やふぐ汁、海鮮丼などをその場で味わうこともできます。

    そのほか、市立水族館「海響館」や関門海峡のランドマーク「海峡ゆめタワー」(全長153メートル)など、見どころはたくさんあります。

    また、関門海峡をつなぐ海底トンネル「関門トンネル人道」(全長780メートル)は徒歩で通行(所要時間15分ほど)することができます。

    海底に県境がある珍しい場所として人気を集めています。

    ふぐは「ふく」と呼ばれる

    次は名産物。下関といえば、「ふぐ」です。

    好漁場である玄界灘と瀬戸内海、関門海峡に面していることから、昔からふぐを食べる文化がありました。

    1888年、伊藤博文・初代総理大臣が山口県のふぐ食を解禁すると、下関には多くのふぐ料理店ができたといいます。

    天然トラフグ扱い量日本一の市場「南風泊(はえどまり)市場」もあり、地元では「幸福」の「福」にかけて「ふく」とも呼ばれています。

    「瓦そば」は、山口県民のソウルフードとしても知られます。

    市内の「川棚温泉」で生まれたもので、「薩軍の兵士たちが戦の合間に瓦を用いて野草や肉などを焼いて食べた」というのをヒントに開発されました。

    熱々の瓦の上でパリパリに焼いた茶そばと、錦糸卵、牛肉、輪切りレモンなどが具材。家庭ではホットプレートで焼いて食べる方法が浸透しています。

    アンコウの水揚げ量も日本一を誇ります。

    アンコウは、身や皮、肝などほとんど捨てるところのない魚で、あん肝にはビタミンやDHAなど豊富な栄養素を含んでいることから「海のフォアグラ」とも呼ばれます。

    2003年からブランド化の取り組みが始まり、アンコウ鍋はふぐに負けず、冬の味覚としても有名です。

    日本海の海域ではプランクトンが豊富なため、春から秋にかけて、いかの王様とも呼ばれる「ケンサキイカ」の好漁場となります。

    地元では「下関北浦特牛イカ」と呼ばれ、身の柔らかさや極上の旨味が特徴です。

    なお、「特牛」は「こっとい」と読み、JR特牛駅は屈指の難読駅名として、全国の鉄道ファンに知られています。

    歴史ある街

    関門海峡に浮かんでいる巌流島は1612年4月13日、つばめがえし・佐々木小次郎と、二刀流・宮本武蔵が決闘したとされる場所としても知られています。

    周囲1.6キロの小さな島で、正式名称は「船島(ふなしま)」。

    釣り場としても人気で、現在は海沿いの散策道が整備されており、誰でも気軽に訪れることができます。

    高杉晋作は萩城下に生まれ、松下村塾で学びました。そして、1863年に下関防衛を目的とする奇兵隊を結成しました。

    幕長戦争や戊辰戦争など様々な戦いに従軍したとされ、盟友には久坂玄瑞がいます。

    平安時代の1185年、源氏と平家の最後の戦いとなった「壇ノ浦合戦」もありました。

    舞台となったのは壇ノ浦の海上。毎年5月には源平の色を示す紅白の旗を掲げた船が関門海峡で合戦模様を再現する「しものせき海峡まつり」も開かれています。

    大きなイベントも

    イベントも充実しています。

    夏に開かれる花火大会では、関門海峡の両岸から花火が打ち上げられます。今年は約1万5000発が舞い上がりました。

    美しい夜景と迫力のある花火で、日本有数の花火大会としても知られています。

    観光、歴史、名産物が充実した下関市

    下関国際の躍動で改めて注目された下関市。7点差を追う9回には連打が出るなど、野球部の諦めない気持ちに胸を打たれた人も多いと思います。

    観光や歴史、海産物を中心とした名産が充実した街にぜひ、訪れてみてください。