「絶対に屋内で使用しないで」携帯発電機で死亡事故も発生「防災の日」にあわせて関係機関が注意喚起

    9月1日には「防災の日」。災害時に防災用品として活用できる製品は、使用上の注意を守らなければ事故につながる恐れがあります。注意点をまとめました。

    台風などで停電した際に役立つ「携帯発電機」「カセットコンロ」「モバイルバッテリー」について、NITE(製品評価技術基盤機構)が誤った方法で使わないように呼びかけている。

    特に携帯発電機は死亡事故が起きており、カセットコンロとモバイルバッテリーも火災につながった事例が度々ある。

    9月1日は「防災の日」。NITEがYouTubeに公開している実験動画を見ながら、改めてこの三つの適切な使用方法を確認したい。

    携帯発電機

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    NITEのYouTubeから

    携帯発電機は、地震や台風で停電した際の非常用電源として使う人が多い。

    ガスやガソリンが燃料のため、出力が大きい家電にも使える特徴がある。

    しかし、発電機は排ガスを出し、それには毒性の強い「一酸化炭素」が含まれている。

    室内で携帯発電機を使用したNITEの実験では、空気中の一酸化炭素濃度(ppm)が1分30秒で300、6分で1150。8分で2000に到達した。

    1600ppmの空間に20分いると、頭痛やめまい、吐き気の症状が出るほか、2時間で死亡する。倍の3200ppmは30分で死亡する。

    死亡事故が発生

    一酸化炭素は無色で目には見えない。最近でも次のような死亡事故が発生している。

    北海道で2018年9月、北海道胆振東部地震の影響で停電したため、ある男性が家庭用の携帯発電機を屋内で使った。

    しかし換気が不十分だったため、一酸化炭素中毒で死亡した。

    鹿児島県では2020年9月7日、換気の不十分な屋内で家庭用の携帯発電機を使用したため、1人が死亡、2人が重症となる事故が起きた。

    発電機を使用する際は、次のことに注意する必要がある。

    1. 室内など換気の悪い場所では使用しない
    2. 発電機は水平に設置する
    3. 雨や水のかかる場所では使用しない
    4. 周囲に燃えやすいものを近づけない
    5. 長期保管する場合は燃料を必ず抜く


    カセットコンロ

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    NITEのYouTubeから

    カセットコンロは、ガス供給が停止した際に調理などに活用できる。

    しかし、絶対にやってはならないことがある。カセットコンロを2台以上並べることだ。

    例えば大きな鉄板や鍋を熱するため、コンロを2台並べて火力を強めようとすれば、ガスボンベが加熱して爆発する恐れがある。

    NITEの実験映像でも、2台並べて使ったことにより、ボンベが爆発する様子が映っている。

    実際に起きれば、命の危険さえ伴うことになる。

    使用上の注意は?

    カセットコンロを使用する際、次のことに気をつけなければならない。

    1. カセットコンロを2台以上並べない
    2. 大きな調理器具をのせて使用しない
    3. カセットコンロに正しくカセットボンベを装着する


    また、カセットボンベの凹部とカセットコンロの凸部がしっかり合っていなければ、結合部から漏れたガスに引火して火災が発生する危険性があるという。

    実際、石川県では2018年12月、正しく結合できていなかったために周辺を焼損する火災が発生している。

    モバイルバッテリー

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    NITEのYouTubeから

    災害時のスマートフォンの充電に欠かせないのがモバイルバッテリーだ。

    簡単に持ち運べることから身近な存在だが、毎年火災などの事故が起きている。

    モバイルバッテリーの中には粗悪品が混じっていることがある。極端に安かったり、販売事業者の連絡先が不明だったりする場合は注意が必要という。

    NITEの実験では、リチウムイオンバッテリーに不具合があったため、充電中に突然発火した。

    また、滋賀県では2016年4月、付属品ではない他社製品の充電器でバッテリーを充電したことで発火した事故も起きている。

    粗悪品を買わない

    災害時にはモバイルバッテリーを持って避難したり、避難所で使用したりすることもある。

    次の点に注意が必要だ。

    1. モバイルバッテリーに衝撃を加えない
    2. 充電ケーブルの結合部に水分などがつかないようにする
    3. 充電器は付属品を使う
    4. 粗悪品を買わない


    (サムネイル:NITE提供の動画から)