夏場のエアコン火災に要注意。「漂白剤で掃除」「ゴキブリが内部に」気をつけたい4つの事例とは?【2022年上半期回顧】

    気温も高い状態が続き、熱中症予防にエアコンの使用は欠かせません。一方、不適切な使用方法でエアコンから出火する可能性もあります。【2022年上半期回顧】

    2022年上半期にBuzzFeed Newsで反響の大きかった記事をご紹介しています。(初出:6月27日)


    気象庁は6月27日、関東甲信と東海、九州南部が梅雨明けしたとみられると発表しました。

    各地で厳しい暑さとなっており、熱中症を防ぐためにも、エアコンを適切に使うことが必要です。

    一方、エアコンは使用や手入れの方法を誤ると、火災を引き起こす可能性があります。

    NITE(製品評価技術基盤機構)がYouTubeの公式アカウントに実験動画を投稿し、主に4つの事例について注意を呼びかけています。

    継ぎ足しや延長コードで

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    NITE のYouTubeから

    まずは「継ぎ足し接続」や延長コード使用時の発火事例です。

    コンセントの形が合わなかったり、長さが足りなかったりした際、エアコンの電源コードを継ぎ足して接続したことで、火災となる可能性があります。

    また、エアコンは大きな電流を必要とします。延長コードを使ってコンセントに接続した場合、延長コードが耐えられず、異常発熱することもあります。

    電源コード類は素人判断で加工したり継ぎ足したりせず、必ず専門家に相談しましょう。

    エアコンをクリーニングした後に

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    NITE のYouTubeから

    次は、エアコンのクリーニング時です。

    冷暖房が必要な季節になる前に、取り外しできるフィルター部分のほこりを取るだけでなく、エアコンの内部を洗浄する人もいます。

    しかし、十分な知識を持たずに薬剤を使うと、発火につながる危険性があります。

    漂白剤など腐食製のある溶液を使うと、配線の劣化や金属部品の腐食を招きます。配線の端子部分に薬剤がかかると、異常発熱することもあります。

    実験動画では、電気部品から徐々に黒い煙が出始め、一気に赤い炎が燃え上がりました。

    自分でエアコンを掃除する際は、購入時の販売店やメーカーなどに相談することが重要です。

    室外機とエアコンを繋ぐ配線から

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    NITE のYouTubeから

    エアコンの使用中、室外機とエアコンを繋ぐ配線付近を焼損する火災が発生した事例もあります。

    この事例では、電源ケーブルが短くて室外機に届かなかった際、延長するためにケーブルを途中接続したことで、接続部で接触不良が生じて出火しました。

    室外機とエアコンを繋ぐ配線は途中接続しないことや、施工業者が説明書に従い、機器の端子に確実に接続することが必要です。

    ゴキブリが侵入し……

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    NITE のYouTubeから

    最後は、ネズミや害虫が原因の火災です。

    冷蔵庫の背面から出火したり、室内機が焼損したりする火災が発生しています。

    エアコン内部や電気配線が集中した部分にゴキブリが入り込んだり、電気コードをネズミがかじったりすると、ショートを引き起こします。

    そのような場合、勝手にエアコンの電源が入ったり、スイッチが作動しなかったりするほか、焦げ臭い匂いが発生することがあります。

    この異常は火災が起きる一歩手前で、注意が必要です。

    使用前にエアコンの状態を確認しよう

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com

    NITE のYouTubeから

    NITEでは、このようなエアコンの火災を防止するため、使用前に試運転することを呼びかけています。

    試運転の前には、次の3つの確認を行う必要があります。

    1. エアコンのフィルターに汚れがないか
    2. 電源プラグにほこりがついていないか
    3. 室外機の上や周囲に物を置いていないか

    そして、試運転では以下を点検します。

    1. 最低温度で10分間運転し、冷たい風が出ることを確認する
    2. さらに30分運転し、異音や異臭、水漏れがないか確認する
    3. 異常があったら販売店やメーカーに相談し、必要に応じて点検を受ける

    NITEによると、2011年度から20年度までの10年間で、エアコン(室内機、室外機)の事故は742件。使用機会が増える夏に多く発生しています。

    室内でも熱中症になるリスクがあり、エアコンの使用は欠かせません。適切に使い、事故防止と熱中症予防に努めていきましょう。


    サムネイル:NITEのYouTubeから