キラキラと光るプラントと煙突、クレーン。暗闇に浮かび上がる、複雑な配管と迫力ある巨大な物体ーー。
私の故郷が誇る「工場夜景」です。
スケール感、昼夜で違う雰囲気、海面に反射する光の数などが魅力で、まるで“銀河“のようだと表現する人もいます。
一般的な夜景とはひと味違う自慢の景色を、スマホで撮影してみました。
「えんとつ町のプペル」のモデルになった場所
今回、撮影の対象に選んだのは、山口県周南市の「周南コンビナート」です。
周南市は瀬戸内海に面しており、石油化学、鉄鋼、セメントなど全国有数のコンビナートが広がっています。
実はこのコンビナート、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんの絵本「えんとつ町のプペル」のモデルにもなっているのです。
その魅力について、西野さんは2016年にブログでこう明かしています。
『えんとつ町』に欠かせないのは、やはり煙突で、ヨーロッパにみられる煙突のある家も一度考えたのですが、黒い煙で覆われた町の「閉塞感」を出したくて、コンビナートを選びました。
コンビナートの中でも、個人的には周南コンビナートが色っぽくて好きなのです。
私も周南市出身で、幼い頃からこの工場夜景を見てきました。
地元愛があふれ出したことも、撮影に臨んだ動機の一つです。
撮影はスマホで
では、実際に撮影した写真を紹介します。
撮影に使ったのは、iPhone11です。選んだビューポイントは4つで、車で移動しました。
結論から言うと、夜にスマホで撮影することはテクニックが必要だなと実感しました。
晴海親水公園から
一つ目の撮影スポットは、JR徳山駅南側の臨海部に位置する「晴海親水公園」です。
こちらからの景色は「日本夜景遺産」の認定地にもなっており、定番のビュースポットとなっています。
工場の光が海面に反射してとても美しく、思わず見とれてしまいます。
徳山港町から
続いては、徳山港町です。
こちらは先ほどよりコンビナートを近くに見ることができました。
煙突からもくもくと煙が上がり、夜間でも稼働している様子がわかります。
まさに圧巻ですね。
三笹町から
3か所目は、コンビナートをかなり近くで見ることができました。
徳山港町から車で10分弱のところにある三笹町です。
複雑に入り組んだ配管も肉眼でしっかりと確認でき、オレンジ色の光がまばゆいです。
空に向かってそびえ立つ煙突の高さは200メートルほどあるそうです(周南市観光交流課)。
この場所からはスマホでも迫力ある写真が撮れると思います。
周南大橋から
周南大橋からも比較的近くにコンビナートが見え、幻想的な光景が浮かび上がっていました。
なお、この橋は駐停車が禁止されていますので、駐停車できる場所に車を止めたうえで、橋上の撮影ポイントまで歩道で移動する必要があります。
違う方角にスマホを向けると、次のような写真も撮れました。
周南市観光交流課は、このコンビナート群を観光資源化したツアーを2013年から本格的に行っています。
遊漁船やタクシーで巡ることもでき、2月23日の「工場夜景の日」にはバスツアーなども企画されます。
同課の担当者は、周南コンビナートの魅力を次のように語っていました。
「特徴はコンビナートの規模が大きく、ビュースポットが多いことです。また、近くで見られるため、迫力のある写真を撮影することもできます。暗闇にたくさんの光が浮かび上がる光景は、まるで“銀河”のようですよ」
筆者の写真で魅力が伝わっているか心配になったため、素晴らしい工場夜景の写真も提供していただきました。
晴海親水公園
徳山港町
周南大橋
永源山公園
福川漁港
工場夜景を鑑賞する際には次のことに注意する必要があります。
- 工場敷地内などの立入禁止区域や私有地に無断で立ち入っての鑑賞は禁止
- コンビナート周辺は大型車両も多く通行するので、交通安全に十分注意する
- 駐停車禁止エリアでは絶対に駐停車しない
- ごみの放置や夜間の騒音などの迷惑行為はしない
山や展望台など、他にも撮影スポットはたくさんあります。詳しくは周南市観光情報サイトで確認することができます。