「レントゲンで検査すると…」マグネットの誤飲事故、乳幼児で相次ぐ。3〜30ミリの小さい磁石で

    小さな子どもはなんでも口に入れてしまいます。マグネットセットは子どもの使用を想定したものではないので、手の届かないところに置く必要があります。

    乳幼児が「マグネット(磁石)セット」を誤飲する事故が相次いでいます。

    セットは複数の磁石をつないで遊ぶもので、磁石1個の大きさは3〜30ミリ。丸や四角の形をしています。

    開腹手術で磁石を摘出した幼児もおり、関係機関が注意を呼びかけています。

    レントゲン検査で……

    国民生活センターによると、マグネットセットは「パズル」や「おもちゃ」として売られており、1セットに200個程度の小さな磁石が入っています。

    今年6月29日、女児(2)が自宅でマグネットセットで遊んでいたところ、誤って複数の磁石(直径5ミリ)を誤飲してしまいました。

    直後は無症状でしたが、病院でレントゲン検査をしたところ、胃の中で磁石が7個つながった状態で見つかったといいます。

    このままでは消化管に穴が開く恐れがあったため、全身麻酔をして内視鏡で磁石を摘出しました。

    過去にも同種の事故

    マグネットセットの事故は、過去にも起こっています。

    北海道では今年1月、乳児が複数の磁石を誤飲しました。手術で摘出しましたが、小腸に穴が開いていました。

    昨年9月には静岡県で幼児が複数の磁石を誤飲。腸管が破れる重傷で、開腹手術で摘出しました。

    徳島県の保育施設でも2020年12月、幼児が磁石を複数誤飲する事故が起きています。

    海外でも同様の事故が起きているそうです。

    消化管を挟んで磁石が引き合う

    【発表情報】 幼児が、強力な磁力を持つネオジム磁石製のマグネットセットの磁石を複数個誤飲するという事故が再発しました。マグネットセットは、子どもの使用を想定した玩具ではありません。子どもには触れさせないようにしましょう! https://t.co/rdDcHlTbyK

    Twitter: @kokusen_ncac

    注意を呼びかける国民生活センターのツイート

    磁石自体は小さいですが、強い磁力がある「ネオジム磁石」が使われており、注意が必要です。

    万が一誤飲してもすぐには症状は出ませんが、消化管を挟んで磁石が引き合い、圧力がかかります。

    その部分には血液がうまく流れなくなり、壊死や穿孔(穴が開く)を引き起こします。

    さらに症状が進行すると、死亡する可能性もあるため、すぐに医療機関を受診する必要があります。

    口の大きさは4センチ

    3歳児の口の大きさは約4センチと言われており、これより小さいものは口に入ります。

    また、小さい子どもはつかんだものをなんでも口に入れて調べようとする「行動特性」があるため、誤飲しそうなものは手の届かない場所に置いておかなければなりません。

    国民生活センターは「マグネットセットは子どもの使用を想定したおもちゃではないため、子どもに触れさせないようにしてください」と注意を呼びかけています。