2022年も年の瀬となりました。
新年を迎える前に、大切な人へ感謝の気持ちを伝えてみませんか?
池袋駅(東京)構内に、昔懐かしい黒板調の「伝言板」が登場しました。
家族へ、友人へ、同僚へ、そして、天国の「パパ」へーー。
たくさんの人が一文字ずつ感謝の気持ちをつづっています。
伝言板から温もり
明治に登場し、昭和にかけて広まった伝言板は、待ち合わせ場所の定番だった駅の改札口・出入り口に設置されていました。
まだ携帯電話のなかった時代。家族や友人に向け、黒板にチョークで時間や場所の変更などを書き込んでいました。
今はスマホがあれば、いつでもどこでも連絡することができますが、昭和の香りが漂う伝言板からはどこか人の温もりが感じられます。
「俺たちの旅」思い出した
池袋駅では12月28日、子どもから大人まで思い思いにメッセージを書き込んでいました。
「星野さん 田内さん 14時開始です つとむ」
この日、午後2時から友人と忘年会があるという男性(58)は、このようなメッセージを書き残しました。
伝言板を見て思い出したのは、俳優の中村雅俊さんの「ただお前がいい」という曲。
〽︎ただお前がいい おとすものなど なんにもないのに 伝言板の左の端に 今日もまた一つ 忘れ物をしたと誰にともなく書く
男性は「『俺たちの旅』というドラマの歌で、とても懐かしいことを思い出しました。自分も伝言板に書いた記憶がありますね。忘年会に参加する2人が見てくれたらいいなあ」と笑っていました。
孫からおじいちゃんへ
「おじいちゃん やさいづくりがんばってね」
こんなメッセージを書いたのは、小学2年の男の子(7)です。
長野県に住む「おじいちゃん」に感謝を伝えたいと書きました。
祖父は長野県で農家を営んでおり、ダイコンやネギ、ブルーベリーを作っています。
帰省するたびにおいしい野菜が入った料理を食べさせてもらっているそうです。
「今日からおじいちゃんの家に行くので楽しみ。おいしいご飯をいっぱい食べたい」とはしゃいでいました。
育児・家事をしているパパに…
「パパいつもありがとう。良い思い出たくさんつくろうね」
夫(51)に感謝を伝えた女性(38)もいました。
2人の間には2歳の子どもがいます。女性は出産して3か月で仕事に復帰し、その後の育児や家事は夫がメインで担っているそうです。
女性は「本当に精神的に支えられています。正直、家事と育児はパパにほとんどやってもらっています」と微笑みました。
そして、こう語りました。
「言葉で簡単に『ありがとう』っていうのは、なんとなく軽々しい感じもするけど、伝言板だと一文字ずつに感謝の気持ちが込められますね。感謝を忘れないという自分への戒めにもなりました」
天国のパパへ 孫ができたよ
「天国のパパへ 孫ができたよ。今度連れて行くね。」
こんなメッセージもありました。
亡くなった父親に、子どもの誕生を伝えているのでしょうか。次に実家を訪れた際に、報告するのでしょうね。
このほか、「離れていても大事に思っているぞ。」や「母へ、冬休み楽しんでね」、「これからも大好き♡」といった文字が刻まれていました。
大切な人に伝えたい、それぞれの思い。
皆様も、手書きで温もりのある言葉を伝えてみてはいかがでしょうか。
いつまでの開催?
伝言板は、12月28日〜来年1月3日(午前10時〜午後6時)まで、池袋駅構内の「東武 池袋ラウンドワイドボード」イベントスペースに設置されています。
企画は、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」(東京)。
事前に寄せられた手書きのメッセージを伝言板に再現したポスターも全国47都道府県・51駅などに設置されています。