レンガ造りの建物、世界三大夜景、ご当地バーガー……。
異国情緒ただよう北海道・函館。言わずと知れた人気の観光地ですが、8月に初めて東京から訪れるチャンスがありました。
しかし、予定の都合で観光できたのは「半日」だけ。
限られた時間の中でどこまで満喫できたのか。「駆け足」ですが、魅力満点だった「15」の名物やスポットを紹介します。
上野→函館は「あっという間」
函館を観光したのは8月26日。
家族が札幌に住んでいたため、筆者(相本)は月1回ペースで北海道に行っていましたが、函館は初めてでした。
JR上野駅(東京)を午前6時38分に出発し、新函館北斗駅(北海道北斗市)に午前10時53分に到着。
そこから「快速はこだてライナー」を利用し、たったの15分(午前11時20分)で函館駅に着きました。
5月30日に「東京から札幌まで『鉄道』だけで行ってみたら…」という体験記事を配信しましたが、今回は「あっという間」という感覚でした。
上野から新函館北斗まで新幹線を利用したのは、次の個人的な理由からです。
- 自宅から上野駅が近かった
- 新幹線は溜まった仕事を進められる
- 新幹線はよく寝られる
- なんとなく「東京から函館は新幹線?」という考えがあった
1:函館朝市(11:30)
観光は午前11時半にスタート。
函館駅の近くに早速、「函館朝市」が見えてきました。
かに、サケ、ウニ、いくら、ホタテ、そして名物のイカ。魚介類のインパクトがすごいです。
「いけすのイカはここでさばいてすぐ食べられるよ」と声をかけられたため、注文しました。
この時期はスルメイカです。
さばきたてのイカは新鮮でおいしい
5分ほどで出されたイカは綺麗な透明色。吸盤がついた足の部分はまだ動いていました。
少しだけ醤油に浸して口に運ぶと、甘さが一気に広がります。臭みはもちろんありません。
肝も濃厚な旨味があっておいしい。さばきてたてなので足の吸盤が上あごに引っついて焦りましたが、全体的にコリコリしていて絶品でした。
2:回転寿司(12:45)
市場を出て歩いていると、再び興味をそそられる看板が。地元産の魚介類を使った回転寿司店です。
しかし、前述の通り函館にいる時間は半日だけ。時計を見ると、すでに午後0時45分です。
寄り道をする時間はなさそうですが、「そういえば社会人になって、一番嬉しかったことって、初めての給料で寿司屋に行った時だったな」としみじみ。
気づいたら、検温、アルコール消毒を済ませて入店していました。
塩水生うに軍艦、ホッケ、時鮭、生イカ(朝獲りいけす)、生ズワイガニ……。
「今まで食べた寿司の中でもトップクラスやな。まさに海の幸……」。瀬戸内出身で自称・魚にうるさい筆者もレベルの高さに驚きます。
「そもそもカニって生で食べられるんか」「ホッケを寿司で食べられるなんて」
ひとりごとが止まりません。一口ずつ幸せを噛み締め、後ろ髪を引かれる思いで退店しました。
3:赤レンガ倉庫(13:10)
いよいよ観光スポットに繰り出します。
まずはベイエリアのランドマーク「金森赤レンガ倉庫」。1909年に建築された歴史的な建造物で、現在はショップやイベントホールなどが入っています。
心地よい潮風に吹かれながら海岸沿いを散歩でき、横浜や神戸の赤レンガとは一味違う雰囲気。
あいにくの曇り空でしたが、修学旅行とみられる学生らがたくさんいました。
4:ラッキーピエロ(13:18)
赤レンガ倉庫のあたりをうろついていると、海沿いに何やら派手ないでたちの店を発見。
函館発のレストラン「ラッキーピエロ」です。道南中心に店を展開しています。
店内外の掲示から、どうやら「チャイニーズチキンバーガー」が人気のようです。
しかし、店に入る前に一度立ち止まってしまいました。
「今、ダイエットしてるんだった」。不規則な生活で増えた体重。ようやく減量に本腰を入れ始めたところです。
しかもこの日は、すでにイカの刺身と寿司を食べています。
「でもせっかく来たのに食べないのは函館に失礼だな」
そう自分に言い聞かせ、意気揚々と入店。「チャイニーズチキンバーガー」を注文しました。
レストランのホームページによると、バーガーの高さは「アイフォンの縦サイズくらい」。包み紙を開くと、確かに一瞬かぶりつくのをためらうほどの大きさでした。
もちろん味は絶品。甘辛い味付けの唐揚げ、レタス、マヨネーズがマッチし、ゴマがたっぷりふりかかったバンズもふわふわ。
「函館にいたら毎日食べるなこれ」ーー。幸福感に満たされ、罪悪感を抱くことなく完食しました。
5:北海道第一歩の地碑(13:44)
歴史的な建造物も巡ります。カロリーも減らさなければいけません
目標を「2万歩」に設定し、まずはベイエリアの「北海道第一歩の地碑」に行きました。
明治維新後、函館は北海道の門戸に。北海道の地を踏む人が、その第一歩を踏み出すのが、ここにある橋(旧桟橋)だったそうです。
6:ペリー来航記念碑(13:50)
「ペリー提督来航記念碑」もあります。
ペリーは1854年5月17日、開港された函館湾を下見するため、5隻の艦船を率いて来航しました。
7:旧北海道函館市庁庁舎、旧函館区公会堂(13:56〜59)
「旧北海道函館市庁庁舎」(1909年建造)、「旧函館区公会堂」(1910年建造)も見どころです。
函館で歴史的な洋風建造物を見ていると、なんだか明治時代の「匂い」を感じることができますね。
8:坂(14:04)
函館は「坂の街」としても知られています。
坂の上に観光スポットが点在しているので、函館観光は「歩きやすいシューズ」がおすすめです。
坂の上から海側に向かっての眺めも素晴らしく、綺麗な街並みを確認できます。
ちなみに、「チャチャ登り」という細長い上り坂もありました。
チャチャはアイヌ語で「おじいさん」という意味。あまりにも急な坂で、誰もが腰を曲げてのぼることから名付けられたそうです。
カロリー消費に最適な坂ですが、次のスポットに急ぎます。
9:ハリストス聖教会(14:05)
初代ロシア領事館の付属聖堂として建立された「ハリストス聖教会」です。
私が行った時は保存修理のための工事が行われていました。
10:カトリック本町教会(14:08)
こちらは「カトリック本町教会」です。
キリシタン追放令以降の日本でキリスト教宣教再開の先駆けとして知られています。
11、カール・レイモン(14:13)
ハム・ソーセージ作りに情熱をかけたカール・レイモンさんが居宅として使っていた2階建住宅も。
ソーセージ好きな人は知っている名前かもしれませんね。この住宅の隣にはハムやソーセージを売る店舗もありました。
さて、「十字街」から「五稜郭公園前」まで市電に乗車しました。
次の行き先も函館観光では欠かせないスポットです。
12、五稜郭(15:00)
「五稜郭公園前」から10分ほど歩くと、「五稜郭タワー」が見えてきます。
函館の街や津軽海峡まで一望できるこのタワー。展望台2階の高さは90メートルです。
ここから五稜郭の星形を俯瞰することができます。
開港場となった函館は、産業の育成や開拓、防衛力強化が図られました。
五稜郭の特徴である「星形」は、銃や大砲が発達する中、防御側の銃の死角を少なくする構造として考案されました。
戊辰戦争終焉の地としても有名です。
13、「湯の川温泉」(16:00)
まだまだ詰め込める。そんな気持ちで市電で再び乗り、「湯の川温泉」に行きました。
函館空港のホームページによると、ここは「日本一空港に近い温泉街」で、空港から車で5分で着くそうです。
空を見上げると、確かに飛行機が大きく見えました。
スマホの歩数計は1万5000歩。足も疲れてきたので日帰り入浴します。
筆者が入った温泉は、函館の街並みを眼下に一望できる露天風呂。たまたま「お風呂の日」だったそうで、500円で入浴できました。
ぬるぬるとしたやわらかい泉質の温泉。疲れが吹き飛び、サウナも入って「ととのい」ました。
今度はぜひ泊まりたい……。
14、函館山展望台(19:01)
そしてこの日最後の目的地、「世界三大夜景」で有名な函館山展望台に向かいます。
市電で「湯の川温泉」から「十字街」に戻りました。そこから数百メートルほど坂をのぼり、ロープウェー乗り場に到着です。
まだ明るさが残る午後6時半前でしたが、展望台に着くと、大勢の観光客らが詰めかけていました。
午後7時過ぎ、あたりが暗くなると周囲から歓声が上がりました。
この時期は夜風も心地よく、雄大できらびやかな夜景を楽しむことができました。スマホで数枚撮った後、その光景を目に焼き付けます。
筆者は首を伸ばせば夜景を見ることができましたが、後列の子どもや小柄な女性は詰めかけた観光客の背中にさえぎられ、夜景を見ることが難しそうでした。
驚くほど人がいましたので、早めの到着をお勧めします。
15、地元の居酒屋(19:30〜)
再びロープウェーで麓におり、地元の人で集う居酒屋を訪れました。
地魚、地酒に舌鼓を打ち、店主や常連客にも函館のことをたくさん教えていただきました。
「人」も温かい。結局、この日はどこよりもこの店に一番長く滞在していました。
今回は駆け足でしたが、できる限り函館の名物や観光スポットを堪能したつもりです。
ゆっくりと滞在すれば、まだまだ見どころや名物もあります。皆様もぜひ、函館を訪れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、この日の歩数は「2万2136歩」。目標達成でした。