歯磨きをしながら歩いて転倒し、口の中に歯ブラシが刺さる。そのような事故でけがをする乳幼児が相次いでいます。
東京都内では2017年から昨年までの5年間で、200人近くの乳幼児が救急搬送されました。
東京消防庁がTwitterに啓発画像を投稿し、注意を呼びかけています。
保護者の目の届く範囲で
東京消防庁が投稿した画像は6月6日午後2時現在、1万件表示されています。
1、2歳児の事故が多いこと、原因は転倒が大半を占めるといい、「歯磨き中は動き回らせない」などの対策を呼びかけています。
投稿を見た人からは、「棒状のものをくわえて走ったら危ない」「ぐにゃぐにゃ曲がる歯ブラシを使わせていた」などの反応が寄せられました。
最も多い年齢は
東京消防庁によると、都内(稲城市、島しょ部を除く)で2017年から昨年までの5年間、歯磨き中に歯ブラシが口に刺さるなどして救急搬送された乳幼児(0〜5歳)は195人。
17、18年は39人、19年は33人、20年は43人、昨年は41人でした。
年齢別では、1歳児が84人と最も多く、2歳児が56人、3歳児が29人、4歳児が14人、0歳児と5歳児が6人と続きました。
生命の危険が強い重症も
では、どのような状況での事故が多いのでしょうか。
最も多かったのは「歩いたり、走ったりしていて転倒」で、137人(70.3%)でした。
そのほかは、「人や物とぶつかる」が22人(11.3%)、「踏み台等から転落」が12人(6.2%)となりました。
事故の瞬間を見ていなかったことなどから原因がわからない「不明」も16人(8.2%)いました。
けがの程度は、入院を必要としない軽症が171人(87.7%)と大半を占めました。
一方、入院を要する中等症も23人(11.8%)に上ったほか、生命の危険が強いと認められた重症も1人(0.5%)いました。
歯磨き中にソファから転落して
歯磨き中の具体的な事故の事例は次のとおりです。
- いすに座って歯磨きをしていたが、バランスを崩して前方に転落し、口の中をけがした。
- 歯ブラシをくわえたまま階段から転落し、口の中をけがした。
- 歯磨き中にジャンプしたはずみでバランスを崩して転倒し、口の中をけがした。
- 歯ブラシをくわえたまま歩いていたところ、布団の上で転倒して歯ブラシが口の中に刺さってけがした。
- ソファで歯磨きをしていたが、転落して口の中をけがした。
注意すべきポイントは
子どもをこのような事故から守るため、東京都は次のことに注意するよう呼びかけています。
- 保護者が見守る中で、床に座って歯磨きをする。
- 事故の危険性の高い3歳前半までは、のどに刺さりにくい歯ブラシを使う。
- 子どもが使用する歯ブラシと保護者が仕上げで使用する歯ブラシは使い分ける。
- ソファなど不安定な場所で歯磨きをしない。
- 子どもの動線に物を置かないなど、歯磨きをする場所、生活環境を見直す。