暖かくなってきました。子どもと一緒に外出する機会が増えるゴールデンウィークも、もうすぐです。
乳幼児を連れてのお出かけに便利な「抱っこひも」について、消費者庁などが安全な使い方の注意点を呼びかけています。
日常に潜む危険
消費者庁は、抱っこひもを適切に使わなければ、子どもが転落したりや窒息したりする危険性もあるとして、4つの注意点をあげています。
- 物を拾う時など、前にかがむ際は必ず子どもを手で支える
- 留め具やベルトの緩みを確認し、子どもの位置や姿勢なども適切な状態で装着する
- おんぶや抱っこ、降ろす際は低い姿勢で行う
- 子どもの顔が大人の体に押し当てられ、気道をふさぐことがないようにする
消費者庁などには、抱っこひもを使用した際に起きた事故も度々報告されています。
荷物を取ろうとした時に、子ども(0歳2か月)が抱っこひもから転落し、頭蓋骨を骨折した。
留め具が適切にロックされておらず、子ども(0歳3か月)が後方に倒れて頭部に怪我を負った。
抱っこひもをしながら家事をしていたら、途中で子ども(0歳1か月)が息をしていないことに気づいた。人工呼吸で息を吹き返した。
このような事故に、Twitter上でも「これ、ひやっとしたことある人も多いのでは?」「危険は日常に潜む」「気をつけたいですね」と話題になっています。
5人に1人が……
メーカーなどでつくる「抱っこひも安全協議会」が昨年1月までの1か月間でアンケート調査をすると、「ヒヤリハット、事故がありました」と回答した人は20%(3726人中736人)にのぼりました。
内訳をみると、事故の種類(複数回答)では、
・「落下」が78%(573人)と最多
・「足や手などの強い圧迫」が11%(84人)
・「窒息」が4%(30人)
と続きました。
事故時の状況(同上)は、
・「子どもを乗せる時」が41%(301人)
・「歩行中」が21%(155人
・「かがんだ時」が20%(148人)
・「家事など別の作業中」が11%(80人)
でした。
また、抱っこ紐を「おんぶ」の状態で装着し、自転車に乗ることが認められている地域もありますが、その際に起きた危険なケースの報告もありました。
雨の日に視覚障害者用ブロックにタイヤを取られ、何度も滑りそうになった。
自転車に乗った際、信号待ちでバランスを崩した。
雨上がり、マンホールの上で滑りそうになった。
抱っこひもの中でぐずり泣きが始まり、ハンドルを取られて自転車のバランスを崩した。
東京都のチェックポイントは?
相次ぐ事故やヒヤリハットに、東京都生活安全課も「抱っこひもを使う時のチェックポイント」として、5点を守るように呼びかけています。
- バックル類の止め忘れはないか
- ウエストベルトは腰骨の上か
- ベルトの緩みはないか
- 子どもの位置は低すぎないか
- 子どもが苦しくないか
また、前にかがむ際は必ず手で子どもを支えたり、膝を曲げて腰を落としたりすることを求めています。
「子どもを事故から守る!事故防止ポータル」(消費者庁)に、誤飲や自転車の安全利用など、子どもの事故防止に関する様々な情報が掲載されています。