5人に1人がヒヤリ……。「抱っこひも」の事故、消費者庁が安全利用を呼びかけ

    子育て世代の多くが使っている「抱っこひも」。適切な使用方法でなければ重大事故を引き起こしてしまう可能性があります。より安全に使用するためのポイントをまとめました。

    暖かくなってきました。子どもと一緒に外出する機会が増えるゴールデンウィークも、もうすぐです。

    乳幼児を連れてのお出かけに便利な「抱っこひも」について、消費者庁などが安全な使い方の注意点を呼びかけています。

    日常に潜む危険

    【抱っこひもからの転落に注意!】 物を拾うなどで前にかがむ際は、必ず子どもを手で支えましょう。おんぶや抱っこをする時や、降ろす時は、低い姿勢で。また、バックル類の留め具や、ベルトのゆるみ、子どもの位置など、取扱説明書を読んで、正しく使用しましょう。 https://t.co/IoVaqFX6sr

    消費者庁のTwitterアカウントより

    消費者庁は、抱っこひもを適切に使わなければ、子どもが転落したりや窒息したりする危険性もあるとして、4つの注意点をあげています。

    1. 物を拾う時など、前にかがむ際は必ず子どもを手で支える
    2. 留め具やベルトの緩みを確認し、子どもの位置や姿勢なども適切な状態で装着する
    3. おんぶや抱っこ、降ろす際は低い姿勢で行う
    4. 子どもの顔が大人の体に押し当てられ、気道をふさぐことがないようにする


    消費者庁などには、抱っこひもを使用した際に起きた事故も度々報告されています。

    荷物を取ろうとした時に、子ども(0歳2か月)が抱っこひもから転落し、頭蓋骨を骨折した。

    留め具が適切にロックされておらず、子ども(0歳3か月)が後方に倒れて頭部に怪我を負った。

    抱っこひもをしながら家事をしていたら、途中で子ども(0歳1か月)が息をしていないことに気づいた。人工呼吸で息を吹き返した。

    このような事故に、Twitter上でも「これ、ひやっとしたことある人も多いのでは?」「危険は日常に潜む」「気をつけたいですね」と話題になっています。

    5人に1人が……

    メーカーなどでつくる「抱っこひも安全協議会」が昨年1月までの1か月間でアンケート調査をすると、「ヒヤリハット、事故がありました」と回答した人は20%(3726人中736人)にのぼりました。

    内訳をみると、事故の種類(複数回答)では、

    ・「落下」が78%(573人)と最多
    ・「足や手などの強い圧迫」が11%(84人)
    ・「窒息」が4%(30人)

    と続きました。

    事故時の状況(同上)は、

    ・「子どもを乗せる時」が41%(301人)
    ・「歩行中」が21%(155人
    ・「かがんだ時」が20%(148人)
    ・「家事など別の作業中」が11%(80人)

    でした。

    また、抱っこ紐を「おんぶ」の状態で装着し、自転車に乗ることが認められている地域もありますが、その際に起きた危険なケースの報告もありました。

    雨の日に視覚障害者用ブロックにタイヤを取られ、何度も滑りそうになった。

    自転車に乗った際、信号待ちでバランスを崩した。

    雨上がり、マンホールの上で滑りそうになった。

    抱っこひもの中でぐずり泣きが始まり、ハンドルを取られて自転車のバランスを崩した。

    東京都のチェックポイントは?

    相次ぐ事故やヒヤリハットに、東京都生活安全課も「抱っこひもを使う時のチェックポイント」として、5点を守るように呼びかけています。

    1. バックル類の止め忘れはないか
    2. ウエストベルトは腰骨の上か
    3. ベルトの緩みはないか
    4. 子どもの位置は低すぎないか
    5. 子どもが苦しくないか


    また、前にかがむ際は必ず手で子どもを支えたり、膝を曲げて腰を落としたりすることを求めています。

    子どもを事故から守る!事故防止ポータル」(消費者庁)に、誤飲や自転車の安全利用など、子どもの事故防止に関する様々な情報が掲載されています。