「信頼できるメディアに来てもらった…」容疑者が名指しした宗教団体トップが会見で語ったこととは?安倍元首相銃撃事件で

    安倍元首相銃撃事件に関し、世界平和統一家庭連合の会長が記者会見しました。その上で、逮捕された容疑者の母親が教会員であることを認めました。

    奈良市の近鉄大和西大寺駅前で7月8日、参院選の応援演説をしていた安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件。

    事件を巡っては、逮捕された山上徹也容疑者(41)が調べに、「特定の宗教団体を恨む気持ちがあった」と供述しているという報道が相次いでいる。

    これを受け、「特定の宗教団体」として名前が一部メディアで報じられている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が11日、記者会見を開いた。山上容疑者の母親を教会員だと認めた。

    朝日新聞によると、山上容疑者は「安倍元首相が(特定の宗教団体と)近いので狙った」と供述している。また、母親はこの団体の活動に熱心になり、多額の金を納めるようになったという。

    会見した世界平和統一家庭連合の田中富広会長は冒頭、「国民が尊敬し、愛する偉大な指導者を失い、大変胸が痛みます」と頭を下げた。

    そして、記者会見を開いた理由について次のように述べた。

    「山上容疑者の供述内容で、特定の宗教団体に対する恨みが動機となっているという報道がされた。特定宗教団体が当法人ではないかという噂が流れ、一部では当法人の実名入りの報道がされたので、公式見解を述べたい」

    田中会長は会見の中で、「山上容疑者の母親が教会員である」と認め、「最近は1か月に1回の頻度で教会の行事に参加していた」と話した。

    会見に参加した記者からは、母親が多額の献金をしていた事実があるかどうかについて質問が飛んだが、「献金は本人の意思。ノルマという扱い方もしていない」と答え、具体的な献金額は明らかにしなかった。

    一方で、山上容疑者の母親が「破産されたことは聞いている」とし、「母親は1998年に入会したと思われるが、破産は2002年頃。献金をどのくらいしたかは二十数年前なのでたどりきれていない」と答えた。

    また、最近の母親の状況に関しては、「2009から17年頃まで連絡が取りきれていなかったが、2、3年前から改めて教会員と連絡を取るようになり、この半年くらいは1ヶ月に1度のペースで教会の企画に参加していた」とした。

    安倍元首相と世界平和統一家庭連合の関係性については、「友好団体主催の行事に安倍元首相がメッセージを送られたことはあったが、会員として登録されたことはなく、顧問にもなっていない」と明言した。

    一方、今回の会見には一部メディアしか出席できなかった。

    田中会長は冒頭、「当法人に関することを書く前には事前に直接取材をしてください。誠意を持って対応いたします」と述べていた。

    しかし、BuzzFeed Newsが会見の前に同連合広報部に電話で参加を申し込んだところ、「大手紙とキー局、通信2社だけとなる」と拒否された。

    会見ではメディアを制限したことについても質問が出たが、田中会長は「それなりに信頼できるメディアに来てもらった」とし、こう述べた。

    「警察は宗教団体の実名をまだ発表はしていないが、メディアの一部に当法人の名前を前面に出して報道している事実もある。昨夜や今朝、私どもの法人に心無い電話があり、メディアからも取材攻勢を受けている。信徒を守るのも責任者の責務。個別取材には応じる」