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話題の縦型動画を生んだ3つの工夫 リリスク「RUN and RUN」制作者に聞く

MV制作チームは語る

こちらのミュージックビデオ、スマホから視聴(全画面表示)するとすごいことになります。

YouTubeでこの動画を見る

KING RECORDS / Via youtube.com
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もうMVが、スマホ上でやりたい放題。ぜひ実際に体感してみてください。

こちらは、6人組のヒップホップアイドルユニットlyrical schoolによる「RUN and RUN」という楽曲のMVです。

BuzzFeedは、さっそくMV制作チームに話を聞いてみました。


ーーどうして、このようなMVを企画したのでしょうか。

2015年頃から、スマホ向け縦型動画が増加傾向にありました。しかし、決定的に横動画とは異なる、縦型動画ならではの特徴を生かしたMVは、まだ世の中に現れていないのではないか。だとすれば、縦型動画にしかできないMVって一体どんなものだろう。それはどんな新しい感覚をぼくたちに与えてくれるのだろう。

……そんな疑問をチームで共有したことが、発想の原点となりました。

ーーなるほど。制作において工夫したのはどのような点ですか。

大きくわけて3点あります。

第1に、誰でも楽しめる動画にすること。

スマートフォンは世界共通のデバイス。だからこそ、実験的でアーティスティックな表現を極めるのではなく、誰でも新鮮な驚きが体験できる表現を目指しました。

トリッキーすぎたり、マニアックすぎるギミックは避けて、スマートフォンの画面で誰もが一度は見たことがある、やったことがある瞬間(例えば、通知が割り込んでくる、SNSをスクロールするなど)をたくさん積み上げていきました。

実際にスマホで再現できない動きは一切入れず、「やろうと思えば真似できる」ほどのリアリティに徹底的にこだわりました。

第2に、心地よい陶酔感を生むこと。

陶酔感を生むために、まずはイントロが重要だと考えました。かなり早い段階(実際には開始20秒以内)で「乗っ取られたかのような」驚きを与えることを目指しました。

その上で、アプリを行ったり来たりしながら、時にはデジタルUIをアナログに変換しながら、次々と意表を突く表現で、視聴者の感覚をブンブン振り回すことを目指しました。

また、歌詞の内容や曲の盛り上がりも十分に意識しました。単に混乱を増やしていくのではなく、歌詞を細分化した上で気持ちよく積み重ね、「ため」を作り、エモーションを高め、一気にエンディングまで駆け抜けていくことで、カタルシスを作り上げました。

第3に、Lyrical Schoolの魅力を100%引き出すこと。

テレビやPCと比べて視聴者との距離が圧倒的に近いことも、スマホ専用動画の大きな特徴の1つでした。

そこで、「手の平の中でリリスク(lyrical School)たちが元気いっぱいに飛び回り、笑顔を向けてくれる」体験は、きっとテレビと比べて何倍ものトリップ感を生むだろうと考えました。

言い換えれば、「元気で明るく、ポップで現代的」なリリスクの魅力をそのまま引き出せば、元からのファンも、初めて出会う人も、メンバーと一緒にどんどん新しい世界の深みへ導かれていくような、不思議な感覚を与えられるだろうということです。

実際に、監督が撮影現場でまずメンバーにお願いしたのは、「画面のすぐ向こうにファンの皆さんがいることを常に意識してください」ということでした。

ーー撮影で苦労した点はありますか?

監督は、最初の打ち合わせ時点でかなり完成に近い構造の画コンテを用意していました。ただ、そこから絵コンテを動画にして、撮影直前まで、何度も何度も検証を繰り返しましたね。