
「ロンドンに比べると、東京はすごく刺激的ですね。規模も比べ物にならないほど大きいし、密度も濃い」
そうBuzzFeedに話してくれたのはLEO今井さん。LEOさんは、スウェーデン人の母と日本人の父をもつハーフ。東京で生まれ、幼少期にイギリスへと引っ越した。ロンドン大学で政治経済を専攻し、オックスフォード大学大学院で比較文学を学んだ。しかし、ミュージシャンを目指し、東京へと戻った。それが10年前。
「東京」という都市を歌う
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LEOさんが東京に戻って間もない頃に作った「Tokyo Lights 2」
「東京に戻ったときは、故郷のはずなのに謎にしか見えませんでした。ものすごいスピードで発達している都市があって、それに自分の気持ちが追いつけていませんでした。『大勢の人がいるのに、なんで孤独感を感じるんだろう』みたいな。そういう気持ちを当時は歌っていました」
LEOさんは、東京という都市をテーマにさまざまな楽曲を作ってきた。LEOさんの描く東京は、いつもどこかよそよそしくて新しい。そんなLEOさんの表現が、さまざまな第一線で活躍するミュージシャンとのコラボレーションでも随所に見受けられる。
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ZAZEN BOYSの向井秀徳さんと共に活動している「Kimonos」
現在は、高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコとMETAFIVEというバンドとして活動している。
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METAFIVEでLEOさんが作詞作曲した「Maisie's Avenue」。明治通りをテーマにした歌だ。
そして、そこでも東京という都市をテーマにした楽曲を歌いつづけている。
故郷への憧憬
「さまざまな感情を、自分にとってリアリティのある東京を描写することで伝えているんです。そうじゃないと、嘘くさくなってしまうから。どこかで自分のルーツを知ってほしいのかもしれません。『いいなぁ、故郷』みたいな、故郷という概念をやっぱり大事にしているんでしょうね」

「日本に戻ってきたとき、すごく懐かしさを感じました。ギンギンに冷えた室内から出たときの『ムワー』という蒸し暑さだったり、コンビニに売っている菓子パンだったり。ジャンクフードなのにうまくて」
しかし、大人になって戻ってきた東京はフラストレーションのもとでもあったという。
「サービスだったり、広告だったり、何もかもが過剰に見えました」
それでも東京が好きな理由
「東京って電車は混雑しすぎだし、街に多様性はないし。だから、呆れることもよくあります。でも、飽きることはないんですよね」

「ヨーロッパに住んでると『何か起きないかな』っていう退屈さがあるんですけど、東京では常に何かが起こっているから。だから、日々いろんな文句を言っているけど、大好きな街なんです」