5月12日朝、気象庁が提供する「高解像度降水ナウキャスト」などの気象予報サービスで、静岡県浜松市や磐田市にドーナツ型の雨雲(降水域)が表示されていました。
TwitterなどのSNSでは「浜松に結界が張られてる」「神が降臨した」と話題に。
こうした降水予報サービスは、国土交通省の気象レーダー(Xバンドレーダー)の観測データを利用して気象を予報しています。
この表示は本当? BuzzFeed Newsは気象庁に聞きました。
——今朝、浜松あたりに輪っかのようなものがありました。
はい、システムのエラーです。
本日の6時56分から8時27分の間に、浜松のXバンドレーダーに異常観測がありました。それが、そのまま表示されてしまいました。
——よくあることなのでしょうか?
めったにあるものではありません。「数年に一度」よりも少ないのではないでしょうか。
——原因は?
レーダーにどのような理由で異常が起きたかは調査中です。
ちなみに、Xバンドレーダーは、発射した電波が戻ってくるまでの時間から雨や雪までの距離を測り、戻ってきた電波の強さから、雨や雪の強さを観測しています。
本件の直接的な原因かはわかりませんが、「ブライトバンド」と呼ばれるものが影響した可能性もありそうです。
気象庁のウェブサイトによれば、気温が0度となる高度付近にみぞれが存在している領域は、その上層・下層と比べて局所的に強いエコーが観測されるそうです。
このような融解層(ブライトバンド)が水平に広がりを持っている場合、気象レーダーのアンテナをある仰角で水平に回転させて観測すると、強いエコーがレーダーを中心とする環状の領域に観測されます。ブライトバンドの領域においては、雨の強さを実際よりも強く推定してしまう可能性があります。