【DeNA】盗用元に迷惑料5000円 納得いかない被害者の声

    約3か月、待たされた結果…。

    IT大手DeNAが運営する「キュレーションメディア」による著作権問題で、被害者がBuzzFeed Newsに怒りの声を寄せた。

    DeNAが3月13日に公表した調査報告書の概要には、キュレーション事業10サイトの記事37万6671件をサンプル調査した結果がまとめられている。

    法令上の問題があるとみられるものは、複製権/翻案権を侵害している可能性がある記事が1.9〜5.6%。その可能性がないと言えないものが0.5〜3.0%。

    また10サイトの画像472万4571個のうち、74万7643個については複製権侵害の可能性があると判断された。

    納得がいかない被害者の声

    DeNAは昨年11月のBuzzFeed Newsの報道をきっかけに10メディアを休止し、12月7日に著作権や健康に関する相談窓口を設置した。調査報告書によれば、著作権に関する相談は84件あったという。

    そのうちの1件が、地域情報を発信するサイトを運営しているA氏だ。A氏からBuzzFeedに連絡が届いた。

    A氏は、DeNAのキュレーションメディア「Find Travel」に画像を盗用されていた。2016年12月、相談窓口が設置されてすぐ連絡をした。返信がなかったため、2017年1月11日付けでDeNAに内容証明書を送付した。

    A氏が当時把握していた盗用画像は2点。画像使用料として「1日150円×使用された期間/1枚」で計算し、約20万円を請求した。

    2月3日、A氏のもとにDeNAの担当者2人が訪れた。担当者2人は画像盗用に関する調査資料をA氏に見せ、謝罪した。請求額の支払いは決まらず、DeNAは週に一度、最終回答までの進捗をA氏に報告することになった。

    3月17日、A氏の画像に関するDeNAによる調査結果と、それに基づく「ご迷惑料」をまとめた報告書がメールで届いた。

    DeNAによる調査の結果、A氏が申告していた画像2点は「iemo」にも盗用されていた。また新たに、他の画像1点がiemoに盗用されていたことも発覚した。

    盗用した画像は3点、5箇所。DeNAが提案した「ご迷惑料」は、5000円だった。

    A氏は納得がいかない。新たに画像1点の盗用が判明したこともあり、「追加で請求をさせて頂きたいぐらいです」とこぼす。

    DeNAの見解は?

    DeNAは料金をどのように決めているのか。また、ほかの相談者にも「ご迷惑料」を提案しているのか。

    広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、こう回答した。

    「対応については法令に関係するものに限らずお問い合わせいただいた方のご要望やご懸念、ご迷惑を感じさせてしまった部分について一件一件、ご相談させていただいておりますため、一律で取り決めているものがないのが現状です」

    また、ご迷惑料の最高額については「それぞれに対応が異なるため、金額のみが一人歩きしても同じ対応をさせていただくとは限らないため、差し控えさせていただきたいと思います」と答えた。