熊本地震の対策本部長降ろされた 暴言報道の松本文明副大臣はどんな人?

    Facebookで弁明も

    熊本地震の現地対策本部長を降ろされた松本文明・内閣府副大臣。被災自治体の職員に暴言を繰り返し、復興支援に支障をきたしていたことが原因との報道もある。一体、どういう人物なのか。

    松本副大臣は、14日の地震発生後に熊本入りし、対策本部長として政府と被災地との連絡調整役を担っていた。2度の震度7、一時は10万人を超える避難者を支える重要任務だったが、その責任を果たしていないとの批判があった。

    西日本新聞は21日、こう報じた

    松本氏は食事におにぎりが配られたときに「こんな食事じゃ戦はできない」と不満を口にした。避難所への支援物資配布を巡って「物資は十分に持ってきている。被災者に行き届かないのは、あんたらの責任だ。政府に文句は言うな」と、地元の自治体職員に声を荒らげたこともあったという。

    また、朝日新聞はこう報じた

    松本氏は、16日の「本震」の後、政府と県を結ぶテレビ会議で河野氏に「食べるものがない。これでは戦えない。近くの先生(国会議員)に差し入れをお願いして欲しい」と要請。河野氏が手配し、熊本県関係の議員4人の事務所からおにぎりが届けられたという。本来は県側の要請と政府の対応を調整する場であるテレビ会議を使って、自身への差し入れを求めたことは批判を招きそうだ。

    松本副大臣は21日午前9時から開かれた総務委員会で、「大変申し訳ない思いも一方であります」と陳謝。その上で、こう弁解した。「現地対策本部長として、私の部屋の中で、懸命に夜を徹して働いている人たちの健康管理も責任の一つだ」

    西日本新聞は交代理由について、「体力面を考慮した」(菅義偉官房長官)、「交代は予定通り」(河野太郎防災担当相)という声を掲載した上で「事実上の更迭との指摘がある」と報じている。

    陳謝後もFacebookで「また現地に行きます」宣言

    松本副大臣は21日午後4時38分、自身のFacebookを更新している。

    「私の真意ではない報道が一人歩きしているようですが、私の願いは一つ、一日も早い復興です。またこちらでの仕事がすみましたら、また現地に行きます」

    続けて午後5時39分、次のように弁明した。

    「現状報告や被害状況等、すべて終わったあとに、河野大臣より、何か困ってることはないですか?と聞かれて、職員たちは、救援物資の列に並ぶわけもいかないし、2日間近く、固形物を口にしていないので、お願いをしました。それがさも食べ物の依頼だけにテレビ会議を使ったようにかかれました」

    そもそも、松本副大臣はどんな人?

    公式サイトによると、松本氏は広島県出身。公式サイトには以下のように記されている。

    私は、広島県の山深い里で生まれ、小学校6年生までそこで育ちました。

    親父が事業で失敗したので、親父の兄弟に育てられました。

    それから中学一年の時に、母と一緒に東京に出てきました。そういう環境をみて「まっちゃんは苦労人だね」とよく言われますが、本人はまったく意識したことはありません。

    明治大夜間部2年の時に「都議会議員の書生」となり、住み込みで学費・生活費の面倒をみてもらいながら大学を卒業したという。

    秘書を17年間続けたあと、1985年に都議会議員。3期務めたあと、東京7区(渋谷区・中野区)から衆議院選に出馬したが落選。

    2005年に小泉ブームで初当選し、現在3期目。直近の2014年は小選挙区で長妻昭・民進党代表代行に敗れ、比例で復活当選。2015年に発足した第3次安倍改造内閣で、内閣府副大臣に就任した。

    公式サイトのQ&Aでは、「一日休みが取れたら何をして過ごしていますか?」という質問に、次のように答えている。

    友達と一緒にゴルフをするのが好きです。読書も好きだし、小さな小さな庭ですが掃除をしたり、水をまいたり、洗濯したり、掃除機をかけたりすることに夢中になっています。

    現在の「内閣府副大臣」の役職については、サイト上にアップした動画の中で、次のように語っていた。

    内閣府副大臣として私の管轄はとても広いんです。まず河野大臣のもとで防災担当をやっています。災害が起きたときにどう対応するのか、きちっと計画をつくり、訓練を重ねて、想像力を逞しくして、どういうことが起こった時にどう動くべきか、準備を万般怠らないようにしなければならない。

    首都圏や都市部は防災に関する関心が大変高い。しかし、「そんなことはうちの地域では起こらないだろう」という地域では考えられていないという現実がたくさんあります。災害は忘れたころにやってくる、地震や火山の爆発がなくても豪雨、異常気象というのはいつどこであってもおかしくないという状況ですから、そういったことについての関心度を高め準備を進める。全国を回ってみて感じる落差をどう詰めていくかが緊急の課題です。