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衆院補選・東京10区で小池vs蓮舫の代理戦争 民進陣営に共産・社民の姿なし

選挙初日から見えてくるもの

東京10区と福岡6区の衆院補選が10月11日、告示された。第三次安倍内閣が発足し、蓮舫氏が民進党代表に就任してから、初めての国政選挙。注目は、小池百合子都知事が失職した後の東京10区だ。自民党前職の若狭勝氏(59歳)と民進党新人の鈴木庸介氏(40歳)が事実上の一騎打ちを繰り広げている。

小池知事の地盤を受け継ぎ、「都知事選・小池劇場」の流れをそのままに当選を狙う若狭氏。それを崩そうとする民進党側。初日の選挙戦から見えてくる、それぞれの思惑を追った。

選挙に至る経緯

小池知事は、自民党に所属しながら都連執行部の方針に逆らって出馬。党や自民党都連を批判し、結果的に幅広い都民の支持を得た。

一時は除名論も出たものの、選挙戦で圧勝した小池知事は「おとがめなし」に。自民党の現職国会議員として、唯一表立って小池知事を支持した若狭氏も「厳重注意」で済んだ。逆に都連の執行部は、選挙戦の責任を取り、辞任した。

ただ、未だに問題はくすぶっている。自民党都連は、小池知事を応援した7人の豊島・練馬区議たちに、10月30日までに離党しなければ除名する、と通告した。一方の小池知事は「7人を守る」と宣言。新党の結成も「選択肢」と述べ、政治塾も立ち上げるなど、党や都連との駆け引きを繰り広げている。

若狭氏、第一声から「小池カラー」で

そんな中、注目された若狭氏の第一声は、都知事選のときの小池知事と同じ池袋西口前。支持者たちは小池知事のテーマカラーの「緑色のグッズ」を持って集まった。2人が到着すると、一斉に「若狭コール」「百合子コール」が起きた。

小池知事はマイクを握り、「若狭さんに10区を守っていただきたい」と強調した。選挙対策本部によると、今後も可能な限り応援に入る予定。選挙戦を完全にバックアップする方針だ。

若狭氏は終始笑顔を絶やさず、「透明でクリーンな政治を実現しようとする小池知事と同じ思い。都政と国政のパイプ役になる」と知事との連携を強調した。

「共に戦っていくことを誓う」と自民党都連・下村博文会長

都知事選での小池氏と違い、若狭氏は自民党の公認、公明党の推薦を得ている。10人以上の国会議員が姿を見せ、自民・公明両党の幹事長と都連会長がマイクを握った。

当の自民党都連からは、下村博文会長が出席。「都知事選のしがらみを払拭する必要がある」「圧勝によって流れを変える」「党と都連をあげて、力を合わせて、共に戦っていくことを誓う」と話した。

どんなメッセージとして伝わったのか?

離党勧告を受けた一人、豊島区議の河原弘明氏は、離党勧告の期限が10月30日である点や、下村会長の発言について「選挙を一生懸命をやりなさいというメッセージだと受け止めている」と話した。選挙結果とそこへの貢献度次第では、処分が変更される可能性もあり得るとみている。

また、今回の選挙で若狭氏の選対委員長を務めており、同じく離党勧告を受けている豊島区議の本橋弘隆氏は、第一声後の囲み取材で、「離党勧告については10月23日に、若狭氏の当選を確実にしたうえで相談しようと、7人で決めている」と話した。

民進・鈴木氏側は

民進党公認で元NHK記者の鈴木庸介氏は、地元・大塚駅で出陣式を開いた。「野党統一候補」のはずだが、その色合いはあまり感じさせない。その一方で、「初陣」となった蓮舫代表の存在が際立った。

午前中の「第一声」は30人ほどの支援者しか集まらなかったが、蓮舫代表が参加した午後の出陣式は、駅前の広場が大勢の人たちで埋まった。スマホで写真を撮ろうとしている若い人たちの姿も多い。

鈴木氏は、民進、共産、生活、社民の「野党統一候補」だ。しかし、同じ統一候補と言っても、今年7月の都知事選での鳥越俊太郎氏の状況と、今回は大きな違いがある。

都知事選で揃っていた市民団体のメンバーや、各党の国会議員の姿が見当たらない。

選対幹部はBuzzFeed Newsの取材に言う。

「選対や動員はすべて自前ですよ。党本部から指示があれば別ですが、こちらから共産党や社民党の方に呼びかける、ということはしていません。聞かれたら、もちろんお答えしていますが」

なぜなのか。

蓮舫代表は今回の選挙戦を「支持率を見ると、アリが象に向かう戦い」と厳しく捉えている。

演説後、記者団の「野党共闘について主張される考えはあるか」という質問に、「いや、特段。私どもの公認候補ですから」と否定し、こう続けた。

「多くの野党の皆さん方にも市民運動の皆さんにも協力いただいていますので、幅広い形で支援をいただきながら、我々の訴えを主張していこうと思っております」

選対によると、他党議員の応援演説は、現段階では予定されていないという。

本人は「地元出身」をアピール

では、当の本人は何を語ったのか。

身長190センチの「大型新人」であることを売りにしているからか、「190」と記されたバッジをつけている鈴木氏。「だれしにも居場所のある社会」を目指していると、台の上からこう訴えかけた。

「一つ一つの生活、人生、暮らしを大切にしたい。そのためには国の仕組みを変えていかないといけない。だからこの戦いに勝たないといけません」

豊島区で生まれ育ったことを強調し、式後は握手に回った。が、多くの支援者は蓮舫代表との握手を求め、マスコミもその後を追う。代表の「囲み取材」が開かれている間に、選挙カーは出発していった。

投開票は10月23日。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kazuki Watanabeに連絡する メールアドレス:Kazuki.Watanabe@buzzfeed.com.

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バズフィード・ジャパン ニュース記者

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