電通・過労自殺事件を受け、弁護士たちが11月4日「真夜中の電話相談」

    11月4日午後9時〜翌午前2時まで

    昨年末に自殺した電通の新入社員・高橋まつりさん(当時24歳)が過労死認定された事件をきっかけに、ブラック企業被害対策弁護団が11月4日午後9時〜翌日午前2時まで、電話相談「命を、守る。真夜中の労働ホットライン」を開く。約20人の弁護士が対応する。通話料はかかるが、相談は無料。

    弁護団メンバーは11月2日、都内で記者会見した。電通事件で遺族の代理人を務めた蟹江鬼太郎弁護士は「今回のような悲しい事件を防ぎたい」と力を込めた。

    真夜中にした理由は、昼間に落ち着いて相談する余裕がない人もいるからだ。事務局長の戸舘圭之弁護士は「過去の相談ホットラインで、電話は深夜時間帯に入った後も鳴り続いていた」と話す。

    精神障害、目立つ若者

    弁護団の大久保修一弁護士は、厚労省がまとめた次のようなデータを示しながら、過労自殺問題の深刻さを訴えた。

    うつ病など精神障害での労災申請は、2001年には265件だったが、2015年には1515件に増えた。

    2015年(1515件)の内訳をみると若い人たちが多く、29歳までで19%、39歳までを合わせると47%に及んでいる。

    大久保弁護士によると、精神障害で労災が認められるには、発病前のおおむね半年で「業務による強い心理的負荷」があることが、条件の一つとなっている。

    その「強い心理的負荷」とは、どのようなものなのか。2015年に労災認定された472件のうち、多く見られたのは次のような内容だった。

    【仕事の量・質の問題】

    • 仕事内容・仕事量の(大きな)変化=75件
    • 1カ月に80時間以上の時間外労働をした=36件
    • 2週間以上にわたって連続勤務した=25件

    【いじめ・パワハラ・セクハラなど】

    • 嫌がらせ、いじめ、または暴行=60件
    • セクハラ=24件
    • 上司とのトラブル=21件

    大久保弁護士は「長時間労働やハラスメントによる疲労の蓄積・ストレスは、労働者の心身をむしばむ」と指摘。「法律問題かどうかわからなくても、働き方で悩んでいれば、相談してください」と呼びかけていた。

    「命を、守る。真夜中の労働ホットライン」の電話番号は次の通り。

    03-3503-3370(東京)
    06-6364-9007(大阪)