白人至上主義を掲げる団体と反対派が、アメリカ・バージニア州のシャーロッツビルで衝突した。反対派に車が突っ込み、多数の死傷者が出た。この、アメリカ史上に残るであろう事件の発生を受けて、オバマ前大統領がしたツイートが、瞬く間に拡散した。そして、Twitter史上で最も「いいね」されたツイートとなった。
オバマ前大統領はこれと続く2つのツイートで、次のように書いた。
「生まれたときから、肌の色や生い立ち、宗教を理由にして、他人を憎む人はいない。
憎しみは学ばなければ抱けないものだ。そして、もし憎しみを学べるなら、愛することを教わることもできるはずだ。
愛は、その正反対の感情よりも、人の心により自然に生まれるものだから」
- ネルソン・マンデラ
これは、南アフリカ共和国の政治家ネルソン・マンデラ氏(1918 - 2013)の言葉で、1994年に出版された自伝「自由への長い道」(Long Walk To Freedom)からの引用だ。
マンデラ氏は、南アフリカの人種差別政策アパルトヘイトに人生をかけて挑み、そして勝利した。彼は27年間を獄中で過ごしたが、獄中にいながら反アパルトヘイト運動の象徴となり、釈放後の1994年に大統領になった。
実は、オバマ前大統領がツイートした言葉には続きがある。それがこのようなものだ。
「牢獄で、私や仲間たちが限界まで追いやられていた、そんな最悪の時ですら、監守の中には人間味を感じさせる人もいた。
その光はかすかなもので、あっという間に消えてしまったかもしれないけど、それでも私はホッとできた。そして、そのおかげで前に進めた。
隠すことはできても、決して消えることはない火。人間が生まれながらにして持っている『善さ』とは、そういうものなのだ」
(サムネイル:Pete Souza / White House)