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ウサギ耳に白タイツの弁護士が、ダンスで伝える「労働問題」

「働くわれらの新常識……記録しろ!」

サングラス、ウサギ耳をつけ、白タイツをまとった謎の登場人物「バニ夫」が、満面の笑みを浮かべながら、絶望的に無意味そうなダンスをノリノリで踊る。そして、「記録しろ」と連呼する。そんな動画がネットで公開されている。

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実は、この動画を作ったのは、労働問題に取り組むブラック企業被害対策弁護団。出演しているのは、現役の弁護士たちだ。この動画は、なんのためのものなのか。どうして、ここまで体を張った動画を作ったのか。

自分でメモする大事さ「根付かせたい」

長時間働きすぎて病気になってしまった。せっかく働いたのに残業代がもらえなかった。弁護士のもとには、そんな相談がたくさん寄せられる。そんなときに大事になってくるのが「証拠」だ。しかし……

動画制作に取り組んだ明石順平弁護士は、BuzzFeed Newsにこう話す。

「残業代請求や労災申請をしようとしても、どれだけ働いたかを証明する証拠が手元に無いために、泣き寝入りを強いられるケースは非常に多いです」

「そこで、何とか『労働時間を自分で記録する』という習慣を根付かせたいと思い、動画を作ることにしました。しかし、普通に『記録しましょう』と呼びかけても中々広まらないと思いましたので、一度見たら忘れられないような動画にしました。この動画にはいろいろパロディも入っているので見つけてみて下さい」

動画では、例えばどんな風に記録を残せばいいかが紹介されている。

「自分の手帳に毎日出退勤時間を記録するだけでも、労働時間の証拠になります」

「出退勤時に誰か(家族や自分宛)にメールを送れば、それも労働時間の証拠になります。メールの件名は『出勤』や『退勤』にすれば良いでしょう」

「パソコンの起動・シャットダウン、ログオン・ログオフの記録も労働時間の証拠になります」

「残業時間を記録するためのスマホアプリが、いくつか配信されています」

「とにかく毎日、1分単位で」

記録する際のポイントは?

「とにかく、毎日欠かさず記録するということです。最初は面倒くさいかもしれませんが、頑張って続けてください。本人が面倒くさがって記録しない時は、同居している家族が代わりに出勤・帰宅時間を記録するという手もあります。また、メモするときは1分単位で書いて下さい」(明石弁護士)

記録が抜けている場合、平均値で推計もできるが、必ず労働時間として認めてもらえるとは限らないという。

明石弁護士は、普段から身体を鍛えているそうだが「踊りの練習をしすぎて、ちょっと肩を壊しました」とこぼしていた。ダンスをマネする際には、事前に身体をよくほぐしておいた方がよさそうだ。