耳鼻科に行ったら、子どもたちが耳や鼻に入れた異物が展示されていた、というツイートが話題になっている。色も形も実にさまざまなものが並んでいる。
小さな子どもが耳や鼻に異物を詰めることは、そんなによくあることなのだろうか。また、もしそういう状況になったら、どう対処すればいいのだろうか。
千葉県市原市にある蔵内医院(耳鼻咽喉科)の蔵内隆秀院長に話を聞いた。
レゴやBB弾、消しゴムなどを詰めてしまう
「鼻や耳におもちゃを詰めてしまうのは、未就学児ではよくあることです。たとえばレゴの部品やBB弾、消しゴムの破片などで、何個も詰めてしまうケースもあります。そうした患者さんは、うちの病院にも週に1〜3人はいらっしゃいます」
おもちゃなど、床に落ちていたものを詰める例は、しばしばあることだという。
「おもちゃより細かな、綿とか、髪の毛、細かなプラスティックの破片みたいなものもありますね」
奥に入ると大変
そういう状況に気づいたら、どう対処すればいいのだろうか?
「耳鼻科に連れて行くのが正解です。異物を取ろうとすると、かえって奥に入りこんでしまうことがあります。取るために手術が必要になるケースもあります」
手術となるとおおごとだ。
「また、単に取れないだけでなく、耳や鼻の内部を傷つけてしまう可能性があります。さらに鼻の場合、気道に入り込んだり、息が詰まってしまうケースも考えられます。原則としては、ご家庭で対処しない方が安全です。異物が手前側にあって、明らかにすぐに取れる場合は別ですが」
吸引器、ピンセットなどが用意されている
耳鼻科に行くと、どんな対処をしてもらえるのだろうか?
「耳鼻科には、異物を取るための道具がいくつも揃っています。たとえば、吸引器で吸い出すこともできます。異物をつまむための細いピンセットや鉗子もある。熊手のような器具で掻き出すこともできますし、異物を引っかけて取り出すフックもあります。こうした道具を、患者さんの状況によって使い分けています」
気をつけていても、子どもは思わぬことをするものだ。いざというときにも、慌てないで対処したい。
(サムネイル写真:Roylee_photosunday / Getty Images)