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【スキー場で雪崩】もし自分が流されたら? 万が一に備えて知っておきたいこと

栃木県那須町の「那須温泉ファミリースキー場」で高校生が雪崩に巻き込まれ、8人が心肺停止状態となっている。

複数の高校の山岳部の生徒・教員らが登山の訓練をしていた。

栃木県栃木北東地区消防指令センターによると、16時の段階で、心肺停止状態が8人。重傷者が2人。入院が必要なけが人が5人。軽傷が33人いる。内訳は生徒40人、教師8人だという。

全国には約2万件の「雪崩危険箇所」がある。雪崩は、毎年1〜3月を中心に発生しており、スキー、スノボや登山、温泉などのレジャーの際にも雪崩に巻き込まれる可能性はある。

場合によっては、時速200キロに及ぶ速度で迫り来る雪崩。雪崩は、いったいどういうものなのか。私たちは、いったいどんな点に注意したらいいのか。

全国地すべりがけ崩れ対策協議会・雪崩部会がつくった「雪崩対応安全ガイドブック」に情報がまとまっている。そのポイントは次の通り。

【表層雪崩が起こりやすいのは】

  • 気温が低く、既にかなりの積雪がある上に、短期間に多くの降雪があったとき。(例えば、1メートル以上の積雪の上に30センチ以上の降雪があったとき)
  • 斜面が急傾斜で、特に雪がひさし状になっているときや、吹きだまりがあるとき。
  • 0度以下の気温が続き、吹雪や強風が伴うとき。
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【全層雪崩が起こりやすいのは】

  • 春先や降雨後、フェーン現象などにより気温が上昇したとき。
  • 斜面に雪しわ、ひび、こぶができて、徐々に大きくなる場合。
  • 斜面の勾配が35〜40度で樹木がなく、地肌が露出している場合。

自分が流されたら?

  1. 雪崩の流れの端へ逃げる。
  2. 仲間が巻き込まれないように知らせる。
  3. 身体から荷物をはずす。
  4. 雪の中で泳いで浮上する。
  5. 雪が止まりそうになったとき、雪の中での空間を確保できるように、手で口の前に空間を作る。
  6. 雪の中にいるとき、人の声が聞こえたら、大きな声を出す。

雪の中でも数分間はそのまま呼吸できる。顔周辺に空間(エアポケット)を確保し、深呼吸を続ければ、助かるチャンスがあがる。エアポケットがあれば、生き埋め後15分で93%、45分でも8〜25%の生存可能性があるという。

応急処置のポイント

  • 濡れた衣類を脱がせる。
  • 毛布や暖かい場所への移動など、体温喪失と暴風対策をする。
  • 身体を寝かせて水平にする。
  • 振動を与えたり、過剰な動きはさせない。
  • 温めるためにマッサージなどはしない(致死性不整脈の可能性を高め、末梢の低温となった血液を中枢に送り込むことになるから)。

心肺蘇生は、控えない。

雪崩による低体温は、遭難後、約90分以降から問題になるとされている。高度の低体温で脳機能が低下し、脈拍や呼吸を確認することが難しいケースもあるので、そうした場合でも心肺蘇生を控えるべきではない、という。

「雪崩はちょっとしたことでも起きる」

土木研究所(PWRI)なだれ地すべり研究センターの石田孝司所長は、BuzzFeed Newsの取材に対し、「雪崩のリスクは、雪があればどこでもある」と話した。

そのため、雪山に入る際には、雪崩ビーコン・捜索用の棒(ゾンデ棒)・シャベルの「3種の神器」が必須だという。雪崩ビーコンは電波発信機で、自分が雪に埋まった際に見付けてもらうためものだ。

そのうえで大事なのは、「注意報など気象条件を確認し、斜面に雪がどういう状況で積もっているのか、雪の状況をよく見極めること」だという。

「たとえば全層雪崩は、春先の雪が緩んできたときで、クラック、しわなどの前兆がある場合が多いですね。また、小さい雪崩が起きていれば、その周辺は雪崩が起きやすい状況にあると考えるべきです」

ただ、雪崩のリスクを見極めるのは簡単ではなく、特に表層雪崩は予測が難しいという。

「雪崩が起きる条件は複雑です。雪庇が崩れたり、人が歩いたりといった、ちょっとしたことで起きる可能性があります。雪山に行く際には、こうしたリスクをふまえて行動しましょう」

今回は「表層雪崩の可能性」

今回、栃木県のスキー場で起きた雪崩について、防災科学技術研究所・雪氷防災研究センターの平島寛行主任研究員は「現場付近のアメダスの情報などによると、26日夜から降った大雪が滑り落ちる『表層雪崩』が起きた可能性があります」とBuzzFeed Newsに語った。

現在、現地に人を派遣し、詳しく調べているという。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kazuki Watanabeに連絡する メールアドレス:Kazuki.Watanabe@buzzfeed.com.

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