「フェンスより壁が良い」 トランプ氏、メキシコ国境に公約通り「壁作る」と断言

    不法移民は強制送還。でも、給与は辞退

    米次期大統領のドナルド・トランプ氏は、11月13日に放送された米テレビ局CBSテレビのインタビューで選挙中に公言してきた通り、メキシコとの国境に壁を建設するとの考えを示した。

    トランプ氏は選挙期間中、不法滞在の移民の増加が治安の悪化につながっているなどと主張。就任後は移民政策を大きく見直すと公言してきた。

    「メキシコ国境に壁を建設する」という公約には反発も大きかったが、トランプ氏は現在も、考えを変えていないようだ。

    トランプ氏はCBSの女性キャスターに「本当に壁を建設しますか」と聞かれると、間髪入れず「はい(Yes)」と回答。フェンスのような簡易的な建造物を築く地域も認めるが、一部の地域は「壁を建設する方が良い」と話した。

    トランプ氏はまた、犯罪歴がある不法移民への捜査を強化し、強制送還すると強調した。

    「犯罪者、犯罪歴のあるもの、ギャングのメンバー、麻薬密売人。こういった人物には国から出て行ってもらう。もしくは監禁する」

    「国境の安全を確保することは重要だ」

    抗議デモは「ダブルスタンダード」

    米国の各地では大統領選後、差別発言を繰り返してきたトランプ氏の当選に反対する抗議デモが続いている。

    数千人単位の「反トランプ」デモに関してトランプ氏は「プロ市民がメディアに扇動されてデモをしている。アンフェアだ」とツイートし、炎上したばかり。

    トランプ氏は「クリントン氏が勝利し、私の支持者が抗議をしていたら、皆『ひどい行為』だと批判したはずだ。態度が違う。ダブルスタンダードだ」と述べ、抗議デモに関する報道姿勢が偏っていると暗にメディアを批判した。

    差別は「やめろ」

    大統領選後、白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)がチラシを配るなど、黒人やヒスパニック系住民に対しての差別が急増するのではとの懸念が出ている。

    差別行為に関する見解を問われたトランプ氏は、「そういう行為はやめろと言いたい。ひどい行為だ。この国を一つにするのだ」とカメラ目線で国民へ呼びかけた。

    「国境に壁を建設する」という政策が差別の温床となっている意識はなく、あくまでも「差別には反対」という立場を強調した。

    またトランプ氏は、給与を辞退するとの考えを示した。さらに、同性婚についても、「同性婚は合憲」とした最高裁の判決を覆す考えないと表明した。