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【3分でわかる】暴言ドゥテルテ比大統領の政治戦略 日本に迫られる選択は

天皇陛下との会見時の服装に注目?

南シナ海問題で存在感を強めたフィリピン

Handout . / Reuters

オバマ米大統領を「サノバビッチ」と呼ぶなど、暴言が注目されるドゥテルテ大統領。しかし、フィリピン政府が世界からの注目を集める理由は、暴言だけではない。

ドゥテルテ大統領自身の資質だけでなく、中国による南シナ海への海洋進出が大きく関係している。

2014年5月、中国が南シナ海南沙諸島の環礁に土砂を搬入し、大規模な人工島造成をしていることが発覚した。

南沙諸島では1945年以降、フィリピン、ベトナムなど周辺国も開発を進めてきた。しかし、中国ほどの大規模な工事はこれまでなく、世界的な注目が一気に南シナ海に集まった。

南シナ海は、中国とフィリピン、マレーシア、インドネシアなど東南アジア諸国に囲まれた海域。日本の商船も航行する、重要な海上輸送ルートでもある。

南シナ海での緊張が高まって以降、中国に対峙する隣国として、フィリピンは国際的な存在感を徐々に強めてきた。

はしごを外された米国

Romeo Ranoco / Reuters

中国による人工島造成が発覚した当時のフィリピン大統領はアキノ前大統領。米国在住経験もある親米家で、米国や日本と協力し、国際社会の場で中国の海洋進出を一貫して非難してきた。

オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所での裁判では、中国の南シナ海での領有権主張は法的根拠がないとの裁定が出た。

海洋進出を広げる中国に、軍事的にも経済規模としても劣るフィリピンが勝利した形だ。しかし、判決の基となった、国連海洋法条約には罰則規定がない。そのため、日本や米国は、裁定の順守を中国に強く求めてきた。

フィリピンの同盟国は、仲裁裁判所の裁定を盾に中国に対抗する算段だった。ところが、肝心のフィリピンで、親中的な発言を繰り返すドゥテルテ大統領が誕生してしまった。

ドゥテルテ大統領は中国と、領有権問題を事実上棚上げすることで合意した。フィリピンと一体となって対中包囲網を築いていた米国としては、はしごを外されてしまった格好だ。

南シナ海問題でフィリピンが中国と大幅な妥協に踏み切れば、日米両国にも対フィリピン政策の抜本的な見直しが迫られる。日米両国もドゥテルテ大統領の言動に注目せざるをえない状況になっている。

反米発言→釈明→反米発言の繰り返し

Lean Daval Jr / Reuters

ドゥテルテ大統領の発言は一見、「言行不一致」のようだ。

オバマ大統領を「サノバビッチ」と罵った時は直後に謝罪。米軍を批判する発言をしたかと思うと、「米軍との関係は継続する」と釈明した。

自身をヒットラーに例え国際的な非難が高まった時も、「発言の意図が違った」と弁明し、フィリピンのユダヤコミュニティーとすぐに和解した。

中国訪問中には、「米国と軍事的、経済的に決別する」と宣言した。しかし、日米両国が「真意を確かめる」と迫ると、すぐに「外交政策の独立を唱えただけで、関係の断絶を意味していない」と釈明した。

「中国やロシアから兵器を輸入する」「米軍は出て行け」と強気の発言をする一方で、日本と米国にも一定程度の配慮を示す。

反米政策をチラつかせながら、フィリピンに有利な条件を日米から引き出そうとしているようにも見える。

単なる「八方美人の指導者」なのか、「狡猾な戦略家」なのか。フィリピン在住歴の長い日本人ビジネスマンでさえ、はっきりとドゥテルテ大統領の人物像を掴みきれていない。

日本はどこまで付き合うのか

Romeo Ranoco / Reuters

今回の訪中でドゥテルテ大統領は、インフラ整備計画で中国と協力すると発言した。覚書を交わした経済支援の総額は2兆5000億円に上るとも報道されている。

戦後、日本はフィリピンに支援を続けてきた。橋、道路、鉄道など日本政府の支援で作られたインフラ設備も多い。

フィリピンの首都圏での地下鉄整備計画、海上警備強化を目的とした巡視船供与など、日本政府が計画している支援事業は多い。

ドゥテルテ大統領は親日家として知られており、日本政府を表立って批判したことはない。むしろ日本からのさらなる支援を求めている。

しかし、ドゥテルテ大統領が安全保障面でも経済面でも中国に依存する方針を示すならば、米国の同盟国である日本も方針転換を検討せざるをえない。日本政府は、これまで通りの支援を続けるか否かの判断に迫られている。

天皇陛下会見時の服装と態度に注目

Pool / Reuters

型破りの政治家ドゥテルテ大統領は、服装や外交辞令にこだわらないことで知られている。ジーパンとポロシャツ姿で演説することも多い。

訪中期間中にあった協力文書調印式で、ドゥテルテ大統領はポケットに手を入れたまま会場を歩き、習近平国家主席と握手する際もガムを噛むような口の動きを見せるなどした。中国を小馬鹿にしているようにも見える。

ドゥテルテ大統領の訪日は10月25日から27日まで。滞在中は安倍首相や天皇陛下と会見する。「言行不一致」で隠された外交戦略の真意が、ドゥテルテ大統領の服装と態度に現れるかも、しれない・・・・。

バズフィード・ジャパン ニュース記者

Kantaro Suzukiに連絡する メールアドレス:kantaro.suzuki@buzzfeed.com.

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