「結局ぽっちゃりって何?」体型を表す3種類の言葉で視聴者の反応を見た結果。

    「どんな体型でも、自由に自分が好きな格好ができ、誰からも傷つけられないような世の中になってほしいと心から願っています」

    体型を表す言葉、あなたはどれくらい思いつきますか?

    そして、その言葉一つひとつにどのような印象を抱きますか?

    <イメージ画像>

    “体型を表す言葉”をきっかけに、自分の体型との向き合い方や他人の体型との関わり方のヒントをもらえるような動画をご紹介します。

    YouTubeに投稿したのは「コスメ好きの一般人」のわきこさん(@wakikodayo)。

    「【生きづらい】158センチ58キロの女が"ちょいぽちゃ"を自称した結果」というタイトルでした。

    この動画は、それまでアップしてきた3本の動画に対する視聴者の反応を見た上で制作したものでした。

    自身の体型を3種類の言葉で表現したら、視聴者はどんなリアクションを示すのか。

    わきこさんは3本の動画のコメント欄を見て、考えたことをまとめた動画は、56万回以上再生され、1.6万以上の高評価を集めています。

    BuzzFeedは、わきこさんに話を聞きました。

    体型について考えたことをまとめる発端となった1本目の動画は「失敗したやつも全部着る!ぽっちゃり女によるGRL(グレイル)購入品紹介!11点約2万円分!」というものでした。サムネイルには「158cm/骨格ストレート/ぽっちゃり体型」と記載されています。

    「この時は体重を公開していなかったので、分かりやすいように『ぽっちゃり』という文言を使用していましたが、動画を出した時は『私がぽっちゃりって自称して"デブやん"って言われないかな…?』と少し不安でした」

    しかし、いざ出してみると「全然ぽっちゃりじゃないよー!」というコメントが多く寄せられたんだとか。想像とは違う視聴者の反応に意外性を感じつつ、「世間から見て私の体型はどう映っているんだろう」と疑問を持ったと振り返ります。

    「そこからは素朴な好奇心に突き動かされ、2本目では『ちょいぽちゃ』、3本目は『ちょいぽちゃ普通体型』と、自分の体型を表現する言葉を変えていきました」

    とはいえ、当初は実験結果を動画でまとめるつもりはなかったようです。

    「今回、3本の動画で体型の表現を変えたのは意図的にというよりも、素朴な好奇心に突き動かされた自然な流れでした。しかし、3本の動画を出し終わった後に『これって実験みたいじゃない?』と気が付きました」

    「そして、その旨をツイートしたところ7000以上の『いいね』を集めたので、多くの人が関心を持つテーマなのではと思い、撮影に至りました」

    158㌢58㌔のワイ、5月からファッション系の動画3本出してきて自分の体型を「ぽっちゃり」→「ちょいぽちゃ」→「ちょいぽちゃ普通体型」って実験的に言い方変えてきたんだけど、それぞれコメントで見られた反応を振り返りながらルッキズムについてふんわり語る動画でも撮ろうかなってさっき思いついた

    Twitter: @wakikodayo

    完成した動画の内容は?

    動画では、まず初めに「ぽっちゃり」「ちょいぽちゃ」「ちょいぽちゃ普通体型」という表現に対し、どのようなコメントを集めたのか見ていきます。

    1つ目の「ぽっちゃり」と表現した動画では、わきこさんの想像以上に「全然ぽっちゃりじゃないよー!」の声が多かったそう。加えて「これでぽっちゃりなら、自分はクソデブだ😭」というコメントもいくつか見られました。

    そのコメントに対しては心が痛くなったと振り返るわきこさん。丁寧に返信をするとともに、2つ目の動画では「ちょいぽちゃ」という言葉を用います。

    ただ、この動画では、体型に関するコメントはほとんど見られませんでした。いくつか「これで『ちょいぽちゃ』なの厳しいな😭」という声があった程度だったと振り返ります。

    そして最後、3本目で「ちょいぽちゃ『普通』体型」と自称すると、1.2本目の時より「ちょっと風当たりが強くなった」んだとか。

    ただ、体型コンプレックスをもともと抱えており、自身の体型を太っていると認識するわきこさん。太っていることをわざわざ指摘する複数のコメントを見て、「それな」と思っただけだと振り返ります。

    それと同時に、コメントをした人たちも自分と同じように「痩せていた方がいい」などの特定の外見をよしとする外見至上主義の被害者なのかもしれない、と考えたそう。

    <イメージ画像>

    「1番見てほしい」ところ。

    動画の中で、さまざまな話をされていますが、「1番見てほしい」のは補足の部分なんだとか。

    わきこさんは、この動画を編集しているときにコメントを見て「新たな気づき」を得たといい、その内容もシェアしました。

    そのコメントとは、「ちょいポチャとか、普通体型とか各々基準が違うから言わなくていいと思う…身長と体重だけ言うのでいい」というもので、「これだ!」と腑に落ちたそう。

    「『ぽっちゃり』や『普通体型』という言葉には明確が定義がないので、見る人によって意見が分かれることが当たり前だということに気付かされました」

    「今回は『私の体型を表現するには、どの言葉が妥当なんだろう?』と思い、3種類の言葉を用いてみましたが、その疑問の答えはないということが分かりました」

    その上で、「身長体重のみを公開して、体型を表現する言葉を使用しない」という結論に落ち着いたといいます。

    「基準は人それぞれでいいのですが、それを相手に直接伝えるのはダメだということも今回強く思いました」

    <イメージ画像>

    大きな反響について。

    大きな反響を集めたことで、自分を含めた本当に多くの人が体型で悩んでいることを実感したと振り返るわきこさん。

    「コメント欄で『ガリガリよりはいいと思う!』というようなコメントもちらほら見られました。私を励ますためだったと思いますが、太ることが出来ずに悩んでいる人からすれば、『ガリガリ』という言葉は『デブ』と同じくらい鋭利な言葉であるということも、コメントから気付かされました」

    また、他人からの心ない言葉が引き金になり、摂食障害になってしまった方のコメントが印象に残っているそう。

    「『デブ』などの酷い言葉はもちろん、『痩せれば?』というのも人に軽率に言ってはいけないと思います。コメント欄では、持病のお薬によって太りやすくなり、ダイエットするのが難しいという方も多くいらっしゃいました」

    「体型」との向き合い方。

    わきこさんは動画内では、どのように見られているかを気にせず、自分のありのままの体型を愛そうというムーブメント、ボディポジティブについて触れています。

    ただ、この考え方は、今の体型に満足しておらず、常に「痩せたい」と思うわきこさんにはあまりピンときていませんでした。そんな中、コメント欄で教えてもらった「ボディニュートラル」の言葉に共感したのだといいます。

    「『ボディニュートラル』はボディポジティブから派生したもので、『自分の体を好きでも嫌いでもいい、外見よりも体の働きに注目しよう』という考え方のようです。私にはこの考え方の方が合っていると思いました」

    「『自分の体型に執着しすぎて自分を苦しめるのはやめよう、健康ならそれでいいや!』と気持ちが変化しました」

    「私たちの体は誰かに評価されるためのものではありません」

    記事の読者へのメッセージをお願いしたところ、「私たちの体は誰かに評価されるためのものではありません」と返ってきました。

    「体型や身体的特徴に関することを人に言うのはタブーになってほしいなと心から思います。どんな体型でも、自由に自分が好きな格好ができ、誰からも傷つけられないような世の中になってほしいと心から願っています」

    YouTubeでこの動画を見る

    youtube.com